また、前出のバズフィードの記事によれば、大統領選に向けた選挙活動中の重要な時期に投稿された偽ニュースのうち、閲覧回数が多かった記事の上位20本に対するリアクション数は約871万1,000に達した。一方で、報道機関が掲載したニュースの上位20本への反応は、およそ736万7,000件だったという。
これは、フェイスブックが得た広告収入のうち54.2%が偽ニュースによるものだということを意味するのだろうか──?ユーザーが記事を読んでいる以外にフェイスブック上で行っている行動に費やす時間の長さを考慮すれば、それほどの割合にはならないと考えられるだろう。
関連収入の推計は可能か
フェイスブックに掲載される広告には、インプレッション単価で課金されるものもあるが、大半の広告はリンククリック単価で料金を支払っている。ユーザーが一度のセッションで費やす時間からみても、一定の割合で広告はクリックされているはずだ。
一方で、フェイスブックが偽ニュースから得ている収入を推計するためには、アナリストらはユーザーが友人や企業などとのやりとり、ニュースの閲覧に費やしている時間を把握する必要がある。その時間の割合が分かれば、金額を割り出すことが可能になるはずだ。
エデルマン教授はこれに関して、フェイスブックが偽ニュースを排除しても、広告収入がそれほど大幅に減ることはないとの見方を示している。
「偽ニュースを排除することができれば、その分だけ本当のニュースの数が増えるだろう。そして、ユーザーがそれらを閲覧するのに費やす時間が変わらないとすれば、広告収入も変わらないはずだ」
実際にはどれだけの金額を偽ニュースから得ているのか、フェイスブックには本当のところを明らかにしてほしいものだ。