優れたリーダーがデジタル化に乗り遅れる理由

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3. 自分の考えを逆説的に捉え、その意味について考える
例えば先述の物理的資産については、「物理的資産はその他の資産よりもリスクが高い」という考えもあるかもしれない。逆に考えてみて、自分が共感を覚えるもの、本当にそうかもしれないと思えるものを見つける。そして、その新たな考えが自分の行動をどう変えるのか検証してみよう。

4. 「新たな考え方」が自分の測定基準に持つ意味を推量する
新たな考え方をすることが、戦略や資金配分、顧客や従業員、サプライヤーや投資家にとって、どのような意味を持つのかも考えてみよう。

5. 新たな信念に基づいて行動し、それをチームにも共有する
新たな習慣が根付くまで、特に資金配分については意識的に行動を変えていこう。また、採用や研修、重要業績評価指標(KPI)などにも言及し、行動していくことが重要だ。

ベストセラー『ビジョナリーカンパニー2/飛躍の法則』の著者であるジム・コリンズも、このステップを正しく理解している。偉大な指導者とは、自分自身よりも他の人々のことを気にかける「レベル5」のリーダーだと彼は主張している。

しかし、彼の指摘に抜けていたのは、デジタルプラットフォームの時代において、リーダーは時としてリーダーシップそのものを放棄しなければいけないということだ。我々は、これを「レベル6」のリーダーと呼ぶべきかもしれない。「レベル6」のリーダーは、社内外のグループにおいて自主性を引き起こす存在だ。

これからのリーダーは、自ら変革を導いたり行動を指揮したりするものではない。古い考えを捨て、チームのファシリテーションや価値の共創をはじめとする新しいスキルを身に着け、組織を自立させることが重要だ。

組織をコントロールすることを放棄し、信頼するのは難しい。しかし、新たな考え方やリーダーシップモデルを取り入れるためには、きわめて重要なことだ。デジタルの世界で成功したいのならば、古い考えを捨てなければ未来はないだろう。絶え間なく変化し続けるこの世界で成功するためには、新たな思考を取り入れ、成長し続けることが重要なのだ。

編集=森 美歩

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