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消費経済:小売業とそれを改革する人々について執筆

photo by alvarez / gettyimages

今から2年前、アーラン・ハミルトンはまず正攻法でベンチャーキャピタル(VC)の世界に入ろうと試みた。シリコンバレーで見習いやアシスタントの職に応募しては、断られる日々が続いた。

テキサス出身の彼女には、金融やITの経験はなかった。前職はコンサートツアーの制作コーディネーター。トニー・ブラクストンやジェイソン・デルーロといったアーティストのツアーに携わり、長い時は年の10か月は巡業に出ていた。

「私はただ、有望なのに機会を与えられない起業家たちに資金が回るようにしたかった。でもどうすればいいのかわからなかった」とハミルトンは言う。

性的マイノリティの起業家を支援

チャンスは2015年、シード投資ファンド500 Startupsとスタンフォード大学が主催するプログラムに参加した時に訪れた。そこでハミルトンはエンジェル投資家に出会い、ミーティングを重ねた末に500万ドル(約5億5,000万円)を資金調達する。そしてその資金をもとにバックステージキャピタル(Backstage Capital)を創業した。同社は女性、有色人種、LGBTQなどのマイノリティが立ち上げたスタートアップに投資するVCだ。

VCの世界では、投資する側も投資される側も白人男性が圧倒的多数を占める。白人男性同士で金を回し合っていると言っても過言ではない。そんな業界において、黒人で同性愛者であるハミルトンは、まったく異端の存在と言える。

創業してからの躍進ぶりも目覚ましい。この1年で、バックステージキャピタルは19のスタートアップに投資し、またクリス・サッカやマーク・アンドリーセンといったテック系の億万長者からの投資も取り付けた。

19社のうち9社の経営者は黒人女性だ。黒人女性は今、起業家の中で最も数が増えている層だが、この5年間で米国の黒人女性起業家に対して行われた投資は全体の0.2%に過ぎない。

「自分が必要でなくなる」ことが理想

ハミルトンは最初に手にした500万ドルのファンドを使い、1社あたり2万5,000ドル(約280万円)から10万ドル(約1,100万円)ずつ、計40社に投資する予定だ。これまで投資したスタートアップには、ソカ(カリプソとソウルが融合した音楽ジャンル)のストリーミングサービスRadicalや、ネイルシール作成アプリNailSnaps、顔認識システムで有名なKairosなどが含まれる。

バックステージキャピタルの成功の秘訣について、ハミルトンは「シリコンバレーに集まる白人男性以外の層に目を向けたことだ」と語る。同社の投資先の80%は、カリフォルニア州外の企業だ。先日はニューメキシコ州でネイティブアメリカンの起業家と会ったばかりだという。投資家はもっと「飛行機に乗るべき」とハミルトンは言う。

そんなハミルトンの5か年計画は明確だ。「私の存在が必要なくなることが目標です」と彼女は言う。

「5年以内に不要な存在になっていたい。ハンディをなくすためのファンドがあること自体、おかしな話です。イノベーションや優秀な人材に公平に機会が与えられる状態、それが本来あるべき姿なのです」

編集=海田恭子

 

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