アップル、iPhone「タッチ病」に対応開始 約1.5万円の有料修理で

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アップルがiPhoneの「タッチ病」に関しようやく対応を宣言した。タッチ病(touch disease)とは、以前もフォーブスが伝えた通り、iPnoneのスクリーン上部に灰色のバーが現れるところから発症し、しばらくするとスクリーンが全く反応しなくなるトラブル。

リペア情報メディアのiFixitは、「この現象はiPhone6や6 Plusの全ての製品に起こりうる」としていた。

一部の修理業者は「この不具合はまるで時限爆弾のように全ての端末に埋め込まれている」と述べていたが、これまではタッチ病が発生した場合、ユーザーは新たな端末を買い求めるしか打つ手がないのが実情だった。

アップルの公式サイト(日本語版)には現在、下記のような告知文が掲載されている。

「一部のiPhone 6 Plus において、画面の一部がチカチカ明滅したり Multi-Touch が反応しなくなったりする場合があることが判明しました。こうした症状は、表面の硬い所に iPhone を何度も落とした後、さらに何らかの衝撃や圧力が加わったときに起きる可能性があります。

お使いの iPhone 6 Plus に上記の症状が見られ、それ以外の機能は正常に動作しており、画面にヒビが入ったり割れたりしていない場合は、14,800 円の修理サービス料金で修理させていただきます」

前出のiFixitは「タッチ病の発生は、デバイスの折れ曲がりやすさに起因している」と述べている。端末のゆがみが内部のチップを浮き上がらせ、この問題が発生しているというのだ。iPhone 6 Plus は他のデバイスよりサイズが大きく、ポケットの中で折れ曲がってしまう問題も報告されていた。

ここで特筆すべきは、アップルがデザイン上のミスを一切認めておらず、製品保証は適用外となることだ。さらに、同種の問題の報告事例があるiPhone 6については今回の修理プログラムの対象とはなっていない。

タッチ病の発生で、既に14,800 円以上の修理費用を支払ったユーザーに対してアップルは、「差額分の払い戻しに応じる」としている。

タッチ病の発生は今年8月頃から伝えられており、これまでアップルはこの問題への対処を怠ったことで批判が高まっていた。アップル製品に詳しいライターのウォルト・モスバーグは今年2月、「過去2年の間で、アップルの中核アプリのクオリティは徐々に劣化している」と述べていた。

編集=上田裕資

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