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2016.11.24

男性が避けるべき「お金と女性」にまつわる冗談 笑顔の裏の本心とは

Iakov Filimonov / shutterstock.com


だが、こうした考え方で苦しめられるのは女性だけではない。レイによれば、男性や子どもたちにも悪影響がある。男性が稼ぎ手でなくてはならないという圧力を強め、できなければ失敗した人だと判断される。そして、善意ある性差別は少女たちに、自分たちはあまりにか弱い、自分たちの仕事はかわいらしくいること、理想の人だと言われるようになることだと思い込ませる。これは、彼女たちの中に消えることのない自己不信を根付かせてしまう。

レイは前出の男性たちの話について、「妻について言った軽い冗談だろう。だが、その根底にあるのは女性の人間性を奪うような、人ではなく物としてみるような固定概念を永続させる考えだ。少年にも男性たちにも、女性は“劣る”、“本当に頼れるものではない”と教え、そう考えるようにさせる。同時に少女や女性たちに、内在化した自己対象化の思考を永続させる」と説明する。

「女性の方が摂食障害や自傷行為、不安障害、うつ、低い自己評価、認知機能障害に悩む人が多いのは、これらに原因がある」

「性差別」が残る理由

お金にまつわる性差別的な冗談は、現代の社会では禁止されている人種差別や同性愛嫌悪による中傷などに似ている。女性に対するこうした冗談がいまだになくならないのは、あまりに深く根付いているからだ。

一方で、統計をみれば実際には、多くの世帯の妻たちには稼ぎがある。米労働統計局が公表した2015年のデータによれば、18歳以下の子どもがいるおよそ3,410万の世帯のうち、フルタイムで働いている女性は前年より多い約1,200万人、パートタイムで働く人は前年より少ない約400万人だった。子どものいない夫婦・パートナーの場合では、働く人の数は女性が約9,320万人で、男性の約9,200万人を上回っていた。

お金についての考え方は、夫婦によってさまざまだ。お互いが納得する形であるなら、ここでの議論は該当しない。ただし、たとえ調子を合わせて笑っていても、大半の女性たちはこうした類いの冗談が大嫌いだ。そんな冗談を言っても、面白い男性だとは思われない。もっとうまいジョークがあるはずだ。

編集 = 木内涼子

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