しかし、この2メーカーには、中国人なら誰でも知っているが、西洋人が知らない秘密がある。OppoとVivoはともに、同じ企業BBKエレクトロニクスの傘下なのだ。
香港に在住の筆者は今回、電車で約1時間の中国・深センに渡り、Vivoのマーケティング担当に取材を敢行。両社の関係を探ってみた。
「確かにこの2社は同じ企業の傘下だ。しかし、運営は全く別になっており、ほとんどライバル関係と言っていい。交流は全く無い」と担当者は述べた。両社はスマホの製造に関し、全く違ったアプローチをとっているという。
「Oppoは未来的なテクノロジーを追っている。それに対しVivoはより堅実に、現状の市場のニーズに応えようとしている」
例をあげるとOppoの端末「F1」は“自撮り特化スマホ”をアピールし、フロントカメラにはLED フラッシュを採用した。また「N1」端末は回転式カメラを搭載した初のスマホとして知られ、充電速度の速さも売りにしている。Vivoの担当者が言うように、イノベーションがOppoのアピールポイントなのだ。
一方でVivoは基本性能に注力し、動作スピードの向上に力を注いでいる。「X5 Play」端末は世界初の6ギガバイト RAMをビルトインし、2016年の最速端末の一つになった(OnePlus 3もこれに続き、6ギガバイト RAMを採用した)。
「リアル店舗販売」に特化戦略
VivoとOppoの両社はシャオミのようにオンライン販売を主軸に置かず、店頭販売に力を入れている。
「オンライン販売では利益をあげられない」とPR企業Beeep創立者のNick Xuは述べた。「VivoやOppoらは店頭でのブランドの存在感を高める戦略だ」
また、別の関係者によると、中国でスマホ販売を行なうリアル店舗は、端末メーカーのオンライン販売に警戒心を強めている。なぜなら、オンライン販売の流行は店舗の販売価格を押し下げる要因になるからだ。そのため、リアル店舗限定で販売するVivo端末は、店舗らがこぞってプッシュする商品になった。
IDCのリポートによると、Vivoは今年第2四半期だけで1,470万台を出荷。中国で13%の市場シェアを獲得した。これは2015年と比較すると74.7%の成長だ。Vivoの担当者は「2017年はスマートホーム領域への進出に注力していく」と述べた。