収益は91億ドル(約9,977億円)、調整済み所得(非米国会計基準)は米国預託証券(ADS)当たり0.2ドル(約22円)。ウォール街のアナリストたちは、収益を88億6,000万ドル、ADS当たり0.06ドルの損失を予想していた。
第4四半期(10~12月期)について京東商城は、中間点予想で収益を114億ドル(約1兆2,500億円)と見込んでいる。ウォール街の予想は106億ドル(1兆1,600億円)だ。
データ調査会社エムサイエンス(M Science)は11月上旬に、第3四半期の一部データにはネガティブな見方ができなくもないと予想していた。だがどの企業の決算報告のデータポイントであれ、特にショート(売り持ち)の姿勢で見ればネガティブと見なされ得るのではないだろうか。
そんな否定的な声が多いなか、京東商城はいとも簡単に成功をおさめた。それは決算発表の15日、同社の評価額が11%上昇したことにも見てとれる。
また京東商城は、ネット金融部門のJDファイナンスについて、別会社として独立させることを検討していると明らかにした。JDファイナンスは2016年に入って、セコイア・チャイナを含む投資家群から約10億ドル(約1,096億円)を調達している。独立となれば、京東商城はJDファイナンスの税引き前利益の40%を受け取ることになる。
京東商城の株式については、約10.8%を米小売最大手ウォルマートが保有しており、十分なお墨付きをも言える。中国企業について、会計問題の嘘の噂や、今の状況が「終わりの始まりだ」というような大袈裟な論調をそのまま受け入れる投資家たちは、今後大きな投資のチャンスを逃すことになる可能性が高い。
京東商城の株価は15日、ADS当たり11%超の上昇を記録した。現在の評価額(時価総額)が、2017年の推定収益490億ドル(約5兆3,700億円)の1.0倍に満たないことを見れば、京東商城への投資は、最も格安に“中国の小売ブーム”に乗る一つの方法だろう。