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キャリアと仕事、リーダーシップ全般を担当。

photo by skynesher / gettyimages

2009年1月、ママ友同士のエイミー・ノーマンとステラ・マーの二人は、カリフォルニア州で開催された投資家カンファレンスで、投資家らにリトルパスポート(Little Passports)社の事業プランを売り込んでいた。

同社が製造・販売するのは月に一度郵便ポストに届く、6歳〜10歳を対象とした月額10.95ドルの知育玩具だ。反応は厳しかった。ある男性投資家は言った。「子育て中の母親二人にできるはずがない」と。

それから約8年。リトルパスポートは熱心なファン層を築き、2016年の年商は昨年の2倍の3,000万ドル(約32億円)に達する勢いだ。初のキャッシュフロー黒字化も見込んでいる。これまでエンジェル投資家から500万ドル(約5億3,000万円)を調達してきたものの、ベンチャーキャピタル(VC)には無視されたことが良い結果につながった。

一年近く無給で働いた母親二人組

現在42歳のノーマンと44歳のマーは、ともにサンノゼのeBayで働いていた時に親友になり、世界地理が学べる子ども向けの教材を思い立った。英国人の母を持つノーマンは3年ごとに英米を行き来する子ども時代を送り、名門ビジネススクールのウォートンでMBAを取得した後、KPMGやマッキンゼーに勤務。中国出身の両親を持つマーは、ハーバードで東アジア学を学び、広東語と日本語を話す。

二人とも教育分野は未経験だったものの、アイデアを出し合い、親子50組へのテストを経て教材キットを完成させた。キットにはボール紙でできたスーツケース、シール、各国の特産物、世界を旅する架空のキャラクターであるサムとソフィアからの手紙などが含まれ、毎月一つの国の文化や地理を学べるようになっている。

初期費用は二人が2万5,000ドル(約266万円)ずつかき集めたが、2009年のリトルパスポート立ち上げ直後に現LinkedInのジェフ・ワイナーCEOを含むエンジェル投資家から175,000ドル(約1,870万円)を調達した。

その後、ノーマンとマーは1年近く無給で働いた。商品の大半は中国で作っていたため、手元に届くまで最長で6ヶ月かかり、資金難に陥った。「ストレスで吐く夜もあった」とノーマンは言う。

ノーマンの場合、プライベートも波乱続きだった。立ち上げの数日前、第二子の妊娠8ヶ月だった彼女は突然、夫から別れを告げられたのだ。ノーマンは産後、顔面神経麻痺になった。さらにその2ヶ月後、父親にガンが発覚し、余命4ヶ月と告げられる。ノーマンは周囲の人々から安定した職に就くようアドバイスされたが、リトルパスポートに専念することを選んだ。ノーマンは語る。「人生最悪の状況から抜け出すために、私にはリトルパスポートが必要だった」

編集=海田恭子

 

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