テクノロジー

2016.11.18 07:00

FBIとトランプが生む史上最悪「ネット監視社会」到来の恐怖

Photo by Samuel Corum/Anadolu Agency/Getty Images

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サイバー攻撃対策の強化を主張するドラルド・トランプが次期大統領に選出され、米国民は政府によるネット監視が強化されるのではないかと怯えている。人々の恐怖は、ソーシャルメディア上で急速に拡散し、ツイッター上では次のようなコメントが投稿されている。
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「監視システムのPRISMやXkeyscore、Temporaなどのデータは全てトランプ政権が所有することになる」

一方で、アメリカ国家安全保障局(NSA)の元職員は、トランプ大統領が誕生してもネット監視が直ちに強化されることはないと述べる。NSAの副長官を務めたクリス・イングリスは「NSAの任務は米国憲法を遵守することであり、相手が大統領であっても違法な要求をしてきた場合には応じない」という。

元NSAのコンピュータ・サイエンティストのデイブ・アイテルも「NSAの活動がすぐに変わることはない」と話す。彼はiPhoneのロック解除を巡ってアップルと連邦捜査局(FBI)が対立した際、トランプがFBIを声高に支持したことに触れ「影響を受けるのはNSAよりも、FBIを配下に置く司法省になるだろう」と話す。
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トランプとFBIの友好関係

大統領選挙の1週間前にFBIがヒラリー・クリントンの私用メールに関する捜査を再開し、トランプ勝利の一因となった。これによりトランプとFBIの関係に注目が集まっている。FBIは彼らの操作権限を強化するトランプが大統領にふさわしいと考えているのかもしれない。

元NSAで現在はブルッキングス研究所に勤務するスーザン・ヘネシーも、トランプが司法省やその配下のFBIに権力を行使する危険が大きいと指摘する。「司法省は誰に対してでも捜査を行なうことができる。特定の人物に対して報復的な訴追や不当な操作が行なわれる可能性は否定できない。大統領の持つ権力を甘く見てはいけない」

米国では、エドワード・スノーデン事件の後にNSAによる違法な情報収集活動を制限する大統領令がいくつか発令された。しかし、アイテルはトランプがその一部を撤廃する可能性があると考えている。

コロンビア大学のジェイ・ヒーリーも同じ意見だ。「共和党が上下両院の多数派を占め、トランプは今後2年間で法律を改正してNSAをコントロールしやすくなった」と彼は話す。トランプは、現在の愛国者法に設けられている制約を撤廃し、NSAによる不特定多数に対する電話通信記録の収集を可能にするかもしれない。
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編集=上田裕資

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