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2016.11.27 15:00

ゴルフのプロアマ大会に参加して感じた「海外で成功する条件」


川村プロは、13年にパナソニックオープンゴルフチャンピオンシップで一勝をあげた期待のホープである。20歳と3ヵ月でプロ初優勝を果たしたのは石川遼プロ、松山秀樹プロに次ぐ三番目の若さだ。ジュニア時代からナショナルチームの一員として活躍をしており、私が所属するコースで開催され、また、川村プロはゴルフコースに対して松山プロが優勝した11年のアジアアマチュア選手権では、7位タイに入っている。

18歳の時にアメリカの大学への進学を考え、先輩である今田竜二プロに相談したところ「英語ができないし、向こうのゴルフ部に入っても下手するとレギュラーにさえなれないかもしれない。日本でプロ転向したほうがいい」とアドバイスされ、プロになったそうだ。

現在は日本だけでなくアジアンツアーをも連戦しており、将来的なメジャーや欧州ツアーへの進出をにらんで懸命に取り組んでいる。性格は明るく、各地ですぐに友達ができるそうだ。海外で活躍するためには非常に重要な要素である。内弁慶なプレイヤーは、国内ではそれなりの実績があるので威張ったり、関係者に態度が悪かったりするので、まったくダメだ。

また、川村プロはゴルフコースに対して大変造詣が深く、今回のプレー中もさまざまな名コースの話題で盛り上がった。「プレストウィックでプレーしてみたい」など、20代前半のプレイヤーではなかなか言えないセリフである。

その昔、全米各地での青木功プロの活躍の裏には、チエ夫人の献身的なサポートがあった。欧州ツアーで賞金王を獲得した海老原誠司プロは、夫婦で各地を転戦する間、地元のプロたちと家族ぐるみの付き合いをして、家にまで呼ばれていたほどらしい。実際、私がアイルランドなどを回っているとき、何人もの地元プロから「海老原夫妻は本当に素晴らしい夫婦だ」と聞いた。

人に愛されれば自然といろいろな情報が入ってくるし、キャディーのアサインなども間違いなく有利に働く。川村選手にも、青木プロや海老原プロと同じ匂いを感じた私は、大いに活躍が期待できると確信した。

ネスレ日本の高岡社長が主催する、前例にとらわれない新しい取り組みの大会。世界に照準を定めて活動する川村プロ。大変気持ちよいものを見させていただいた週末であった。

北海道を取り込んだ 27ホール

恵庭カントリー倶楽部は、新千歳空港から車で約35分、札幌市内からは約55分の好位置にある。北海道の代表的景勝地の名を冠した支笏、阿寒、摩周の計27ホールが、総面積1,344,21㎡の敷地に展開する。コースは全長10,593ヤード、設計は名匠富澤廣親だ。2005年、第44回日本プロゴルフシニア選手権大会が開催されたのを皮切りに、計6回のトーナメントが開催されている。


こいずみ・やすろう◎FiNC代表取締役CSO/CFO。東京大学経済学部卒。日本興業銀行、ゴールドマン・サックスで計28年活躍。現役中から、インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢・発起人、TABLE FOR TWO Internationalのアドバイザーなど社会貢献活動にも参加。お金のデザイン社外取締役、WHILL、FC今治のアドバイザー。

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小泉泰郎 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.28 2016年11月号(2016/09/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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