ケーブルテレビを解約し、ネット配信サービスに切り換える「コードカッティング」が広まる中、ESPNの将来に対する懸念が高まっている。調査会社ニールセンは10月、ESPNは一か月の間に約62万1,000人の加入者を失ったとするデータを公表。ディズニーはこのデータの撤回を要求したが、ニールセンは応じていない。
ケーブルテレビ部門の第4四半期の売上高はESPNとディズニー・チャンネルの不調が響き、7%減の約40億ドル(約4,269億円)となった。同社はこれまで、ESPNに関する具体的な数字を示してこなかったが、この日は「加入者の減少」を認め、広告収入や関連事業の売上高の減少につながっていることを明らかにした。また、番組制作にかかるコストが増えていることも影響しているという。
ディズニー全体の純利益は、約17億7,000万ドル(約1,889億円)だった。1株利益はアナリスト予想の1.16ドルを下回る1.10ドル。売上高は前年同期比3%減の約131億4,000万ドルで、アナリスト予想の135億2,000万ドルを下回った。
ただ、純利益と1株利益はいずれも、前年比では増加を記録している。2015年第4四半期にはそれぞれ、約16億1,000万ドル、0.95ドルだった。
一部事業は好調
同期の収益には、ウォルト・ディズニー・スタジオ(スタジオ・エンターテインメント部門)の興行収入が貢献した。映画「ファインディング・ドリー」や「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」の人気が衰えを見せず、売上高は2%増の約18億ドルとなった。
一方、テーマパーク部門のウォルト・ディズニー・パークス・アンド・リゾーツの売上高は、1%増のおよそ44億ドル。フロリダ州の「ウォルト・ディズニー・ワールド」と「上海ディズニー・リゾーツ」が好調で、パリと香港、カリフォルニアのディズニーランドの不調を補う形となった。