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2016.11.10

選挙結果にみる米国民の「精神状態」、トランプ選出は警鐘か

米各地で行なわれている反トランプのデモ (Photo by Drew Angerer/Getty Images)


今回の大統領選は、そうした偏見が今も人々の間に根付いていること、それどころか、恐らく大きくなっていることを明らかにした。政治的公正は、ただそうした事実を隠してきたにすぎないのだ。そして、多くの健康上の問題と同様、何より危険な問題になり得るのは検出できない問題だ。恐ろしい状況で拡大し、あまりに大きく複雑になりすぎて、対処不可能になる。

米国民が今行うべきことは、自分たちの国は本当に、何かが間違った状態にあるということを率直に認め、解決策を探し始めることだ、そして、変化を起こすと誓わなければならない。さらに、問題を真に理解し、物事の全てがどのように関わり合っているかを理解する必要がある。

精神の健康は、私たちの体、社会、経済、環境、文化、そして政治の健全性と密接に関与している。ドナルド・トランプ次期米大統領が問題なのではない。この大統領選の年に起きたことの全ては、米国の本当の問題の“症状”でしかないのだ。

トランプは解決策の一部になれるかもしれない。大統領として、彼が何をするかは誰にも分からない。だが、トランプには米国を偉大な国にするための本当の変化を起こす機会が与えられた。米国民は、次期大統領がその機会を実際に捉えることができるかどうか、見定めていくことになる。

投票日の翌朝、知らない人のベッドで二日酔いの状態で目覚めたような感覚を持った人はいただろうか──。トランプがこれから何もしなかったとしても、あるいは物事を悪化させたとしても、彼と「同じベッドで目覚めた」ことは少なくとも、米国民の全てが必要としていた“モーニングコール” (警鐘)を耳にすることにはなったのかもしれない。

編集 = 木内涼子

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