―ビル・ゲイツ (マイクロソフト創業者)
1970 年代前半、コンピューターが開発されたばかりのころは、個人がコンピューターを持つなんて夢想に過ぎず、「自分だけの原子力潜水艦を持つ」ような馬鹿げた考え方だった。そんな時代、ゲイツは「いつの日かテレビと同様にコンピューターが当たり前のように家庭にある時代が来る」と信じていた。
その予想通り、70 年代後半にはパソコンの元祖も作られ始めたが、それで何ができるのか見えているわけではなかった。ゲイツは、そこでハードの製造ではなく、ソフトの製造に舵を切った。高校時代から「三目並べ」「月着陸船」「給与計算」などのプログラムを書いていたゲイツは、ソフトウェアこそ自分が得意なことだと気づいたからだ。
ゲイツは、マイクロソフト創業後、「どの机にも1 台のコンピューターを、どのコンピューターにもマイクロソフトのソフトを」という目標を掲げ、大きな成功を得た。それは、「自分が最も力を発揮できる範囲を見極め、そこに時間とエネルギーを集中する」という「的」を定めたことがすべてといってもいい。