ビジネス

2016.11.10

皮肉なアマゾンの「二重価格」設定、消費者はどう捉える?

米シアトルのアマゾン実店舗 (photo by Stephen Brashear / gettyimages)


確かに、今すぐ同じ本を手に入れるために90ドルを余計に支払うのだとしても、お得なサービスのように思える。

ただし、問題は次の点にある。プライム会員であってもなくても、多くの書籍はアマゾンのサイトから購入する場合、2日以内に受け取ることができなくても、価格は定価以下だということだ。

アマゾンの実店舗にいる客は、そこで定価で購入するのではなく、その場で自分の携帯電話を取り出して、アマゾンのアカウントのログインし、割引価格でその本を購入することができる。

そして、これこそアマゾンがモバイル販売を開始した当初に、その他の小売業者の店舗で展開してきた戦略だ。つまり、アマゾンは消費者にプライム加入を勧めることができるかどうかを確かめようとしているのではないか。

欲しい商品をすぐに最安値で手に入れるための年間99ドルは、その価値に見合った価格だろうか?消費者たちは実際に、店舗で携帯電話を取り出して最安値を調べ、そこで購入するのをやめているのだろうか?──そうした点を、確認しようとしているのではないだろうか。

結果がどうあれ、きっとアマゾンが勝つことになるのだと思うが。

編集 = 木内涼子

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