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2016.11.14

「面白ければ認められる」シンガポールで広がるチームラボの世界

竹井卓哉:ウルトラテクノロジスト集団「チームラボ」のアジア・リジョナル・ディレクター。東京本社、台湾オフィスで働いた後、2016年6月にシンガポールに移住。台湾、中国、フィリピンなどでのプロジェクトも担当。

「子供が美術館で騒いでもいいからじゃないですか?」(笑)

ここは、シンガポールのマリーナベイ・サンズにあるアートサイエンス ミュージアム。チームラボによる常設展示「FUTURE WORLD: WHERE ART MEETS SCIENCE」に一歩足を踏み入れると、裸足で走り回る子供もいて、その自由な感じにひたすら驚く。「アート」に対して身構えていないように感じるのはなぜ? チームラボのアジア・リジョナル・ディレクターの竹井卓哉にそう尋ねて、返ってきたのが冒頭の言葉だ。

「『小人が住まうテーブル』という作品があるのですが、その上で赤ちゃんがハイハイしていることもあるんですよ」

日本では、「そこまではしないよね」という雰囲気に呑み込まれがちだ。でも、ここでは一切の躊躇がない。スタッフが声を荒げることもない。「シンガポールの人々は、公園に行く感覚で美術館を訪れる」と竹井は言う。

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竹井がシンガポールに移り住んだのは、今年6月のこと。「シンガポールにオフィスをつくろうか」と社内で話が上がり、自ら手を挙げた。

実際に現地に入り、驚いたことがもう一つある。展示室内でセルフィーし、SNSに投稿する率が日本に比べて遥かに高いのだ。そうやって、情報が拡散されていく。

「アートとか、エンターテインメントとか、あまり分けて考えていないのかもしれませんね。単純に、楽しんでくれているのだと思う」

グローバルで評価される未来をつくる

それにしても、シンガポールで働くことを選んだのは、なぜか。そう尋ねると「グローバルを意識して働きたいと思っていたから」という答えが返ってきた。

たとえば、日本人は“日本っぽいもの”が好きだ。かつて竹井が働いていた台湾も“台湾らしさ”に重きを置く国だった。でも、シンガポールには「グローバルでナンバーワンになりたい」という強い思いが国全体に染み渡る。

「グローバルで評価される未来をつくっていく、という思考であり、みながみな、そう考えている。だから、まわりもシンガポールに注目するようになる」

そもそも、チームラボがシンガポールで常設展示を手掛けるまでになったきっかけも、この国がグローバルを意識していた国だからにほかならない。

2012年に、日本人ギャラリストがオーナーを務めるシンガポールの「イッカン・アート・ギャラリー」にチームラボの作品が展示されると、それが大規模な現代アートの祭典「シンガポール・ビエンナーレ」のディレクターの目に留り、13年の同イベントへの展示に繋がった。

その翌年。今度は、アートサイエンス・ミュージアムの館長が東京の日本科学未来館で行われていたチームラボの企画展「チームラボ 踊る!アート展と、学ぶ!未来の遊園地」を訪れ、「FUTURE WORLD: WHERE ART MEETS SCIENCE」のプロジェクトが動き出した。米・シリコンバレーでの個展「teamLab: Living Digital Space and Future Parks」のチャンスを掴んだのも、シンガポール・ビエンナーレに参加したことがきっかけとなった。

「さまざまな繋がりから、アーティストとしてグローバルに認知して貰うことができた。シンガポールはそういう街」と竹井は言う。政府関係機関のサポート体制も厚い。オフィスをつくろうと話しているときも、ちょうど来日していたシンガポール経済開発庁のスタッフ3名が、東京のチームラボの本社までやって来て、「ぜひ作って欲しい」と伝えたという。

今年12月には、シンガポール国立博物館の一部をリニューアルし、大規模なインスタレーション空間「Story of the Forest」を発表する。高さ15mのドーム空間、その空中にかかる橋と回廊で構成され、シンガポールの動植物の生態系をインタラクティブに体験できる(写真下)、スケールも桁外れな作品。シンガポールの国家事業作品として、シンガポール国立博物館からの依頼を受け制作している。

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「普通に考えれば、シンガポールのアーティストを優先するような気がしますが、日本のアーティストに賭けてくれた。ネームバリューがあるか否かなんて、あまり考えていない。面白いと思うかどうか。純粋に、それだけで考えてくれる国なんです」
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PR by シンガポール政府観光局 編集=古谷ゆう子 写真=原 隆夫/ Luxpho

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