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2016.11.16 16:45

睡眠の質を可視化して、眠りの質を磨く「アプリ」が登場


使い方はいたってシンプルだ。アプリを起動したまま、iPhoneを枕元に置いて眠るだけ。それだけで、センサーが睡眠中の身体の動きを感知し、起床後にどのような睡眠状態であったかを知らせてくれる。誰でも簡単に操作できるが、そこから導き出される情報は実に多岐にわたる。例えば、睡眠時間、覚醒回数、睡眠効率、寝つき、眠りの深さの5項目は、レーダーチャートで確認できる。

また、入眠直前のアルコールやカフェインの摂取、喫煙、食事、入浴、運動といった睡眠へ影響を与える6項目を入力することで、ユーザーは日々の生活習慣が睡眠にどのような変化を及ぼすかを学ぶこともできる。

このデータが、高岡の言う「睡眠を可視化する」ということにつながる。その日の睡眠データは、前週、前月平均で比較確認できるので、何をどう改善すれば睡眠の不安から解放されるか、ユーザー自身が考え、行動に移すこともできるからだ。

目覚ましアラームには、あらかじめセットした起床時刻の付近でもっとも眠りが浅いときに起こしてくれる機能を搭載しているので、快適な目覚めをサポートしてくれる。サービスは、これで終わりではない。

このアプリは、定期的にバージョンアップされるという。手始めに、今年11月にリリースされるバージョンでは、睡眠専門医の監修のもと、睡眠改善のアドバイスを受けられる機能が加わる。

「ブランド企業がもっとも大切にしなければならないのは、ファンシーなものを出すことではありません。お客様のニーズに対してきちんとコミットしていくことです。我々の目的はあくまでも睡眠のソリューションであって、単なる寝具を売ることではありません。

アプリの先にはドクターがいて、お客様のニーズに適う商品も揃っている。エアウィーヴをお貸しするといったレンタルサービス(月額1,500円〜)も用意しています。お客様に睡眠の質を約束する、これはエアウィーヴのブランドとしての責任だと思っています」

同社が掲げる『The Quality Sleep』というフィロソフィーは、各業界の超一流をも惹きつける。このアプリのCMには、錦織圭など各界のトップランナーたちがブランドアンバサダーとして登場するが、全員がエアウィーヴ、そして睡眠アプリのユーザーでもある。

「例えば、錦織選手は9時間ほど眠ります。実は彼の睡眠パターンをもらっているのです。錦織選手の睡眠データを公開すれば、ユーザーは自分のデータと比較することもできます。そこからユーザーが波形って何だろう、ノンレムとレムの違いって何だろうと、睡眠のことをもっと学んでみたいと思ってくれることが重要なのです」

今後はウェブサイトをつくり、より個々に寄り添ったサービスの展開も考えているという。

ちなみにこの睡眠アプリ、これだけのサービスを揃えながら、APP Storeから無料でダウンロードできるというのだから驚きである。


高岡本州◎エアウィーヴ代表取締役会長。 1960年名古屋市生まれ。慶應義塾 大学大学院経営管理研究科修士課 程 修了。スタンフォード大 学 大 学 院 経済システム工学科修士課程修了。 2004年中部化学機械製作所(現エ アウィーヴ)設立。1 4年より現職。

篠原洋 = 文

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