タイのモバイル決済利用率の低さが課題に
しかし、アント・フィナンシャルは、中国ほどモバイル決済が普及していない東南アジアで壁にぶつかっている。タイのインターネット普及率は比較的低い。米調査会社Forresterと政府系調査機関中国インターネット情報センター(CNNIC)のデータによると、東南アジアで使われているスマホ台数は1億7,500万台で、中国のネットユーザー数6億8800万に比べるとかなり見劣りする。
Forresterのアナリスト、ジー・イン・ウンは「タイの消費者はモバイル決済に不安を感じており、LINEのスタンプなど少額の商品しか買わない」と語った。
東南アジアのモバイル決済マーケットを巡っては、複数の企業が参戦している。タイのOmise CoやLnwShopのLnwpayだけでなく、LINEのLine payも積極的に浸透を図っている。
中国でデジタルインフラを構築し、銀行とは一線を画したフィナンシャルサービスを提供した実績を持つアント・フィナンシャルが、東南アジアで優位に立つ可能性もある。
タイ内閣は昨年、クレジットカードやデビットカードを持っていなくてもお金の移動を可能にする財務省の政府e決済計画を承認した。