ビジネス

2016.11.04

ヴィクトリアズ・シークレット、「プッシュアップブラ」からの転換に苦戦

photo by Pascal Le Segretain / gettyimages


VSのブラジャーは見た目に変化がなく、広告も以前と変わらない。だが、消費者の嗜好(しこう)は変化する。女性の社会的地位が向上するこの新しい時代に、過度に女性性を強調したマーケティングは、全く通用しなくなっているのだ。

また、女性たちはより現実的な女性の体形を反映した広告を好むようになっている。さらに、米国では大学内で多発する性的暴行が大きな問題になっており、男性が女性に抱く幻想に基づいたVSの広告は、これらの現実と合致しないものになっている。

好転への希望も

ただ、Lブランズには悪いニュースしかないわけではない。ボディケア商品を扱うバス&ボディワークス(Bath & Body Works)の売り上げは好調で、10月の既存店売上高は前年比6%増加した。また、11月のLブランズの売上高は、1桁台前半ながらも増加が見込めるという。

さらに、中国事業の基盤を確立することができれば、Lブランズのビジネスの規模は、米国に匹敵するまでに拡大できると見込まれている。米銀ウェルズ・ファーゴのアナリストは、国際的な事業拡大とその他の取り組みが、長期的には同社の業績を好転させるとの見方を示している。

Lブランズのレス・ウェクスナー会長兼CEOは投資家向けイベントで、VSは現在進めているような方針の転換を「より早い時期に開始すべきだったかもしれない」と認めている。11月16日には、直近の決算結果を発表する予定だ。

編集 = 木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事