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photo by Tom Pennington / gettyimages

11月8日の米大統領選が数日後に迫る中、ワシントン・ポスト紙は次の問いから始まる記事を掲載した。「今回の選挙に欠けているものは何か?」

同紙が出した答えは、「トランプ支持者への共感」だった。

この答えは、多くの人にとって予想外だっただろう。コメント欄では、記事に対する批判的な意見が目立った。

個人的に、この記事にはある意味で同意できる。今回の選挙には確かに「共感の格差」が存在する。だがそれは、記事が指摘しているものとは違う。

ポスト紙の記事は、米中西部ルイジアナ州の保守層に対する「密着調査」を5年間にわたり行ったカリフォルニア大学バークレー校のアーリー・ラッセル・ホックシールド教授(社会学)へのインタビューに基づいている。

ホックシールドは、現地で自分とは「全く違う人種」である人々の暮らしぶりを学んだ経験を本にまとめた。いわば、「アメリカのど田舎冒険記inルイジアナ」といったところだ。

彼女の「発見」は、こうした人々も同じ人間だということだった。感情を持ち、他人に親切で、部外者を歓迎し、話を聞いてあげると喜び、相手の話を親身に聞くことだってできる。

これは、保守的な友人や家族・親戚がいる進歩的な人々にとって、何ら驚くべきことではない。進歩的な人の多くは、保守層の中で生まれ育ってきたのだ。

だがポスト紙のインタビューでホックシールドは、米国の「共感格差」を生み出した責任は、自分と正反対の人々の感情を理解しようとしない「進歩派」にあると非難している。

これは言い過ぎだろう。進歩派はこれまで、トランプ支持者の心理を説明する記事に多大なる関心を向けてきた。ポスト紙も先月、ペンシルベニア州在住の熱心な女性トランプ支持者を紹介する記事を掲載している。

この女性はトランプが「自分と同じ考え方を持つ人」だと語っているが、この言葉は、今回の選挙で「共感」がいかに作用しているかを示す典型となっている。これまでの選挙戦では、進歩派のみならず多くの保守派がトランプを拒絶し、共和党の分裂につながった。実は、共感力の格差が生まれている場所は、保守派と進歩派の間ではなく、トランプと彼の支持者の間なのだ。

翻訳・編集=遠藤宗生

 

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