インスタグラムが乗り出す「買い物革命」 物語で物欲を刺激

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人々かショッピングをする上でスマホは欠かせないものになった。このトレンドを意識するインスタグラムは11月2日、インスタグラムのアプリ経由で商品を吟味し、購入を行なうショッピングツールを発表した。

フェイスブック傘下のインスタグラムは、米国のiOSユーザー向けにケイト・スペードやWarby Parker、Jack Threadsといった20社の米国ブランドの詳細な情報を投稿上でシェアさせる試みを始動。ユーザーをインスタグラムの投稿から購入ボタンに運ぶテストを実施しようとしている。

テストでは投稿した写真の左端に「タップ・トゥー・ビュー(タップして確認)」のアイコンが表示され、最大5個のアイテムが価格情報とともに表示される。商品に関する追加情報もアプリを離れずに入手できる。「ショップ・ナウ」のリンクからは小売店のサイトにダイレクトにリンクが貼ってある。

「ストーリー」で購入決定を促進

インスタグラムでマネタイズを担当する副社長のジェームズ・クアルレスは電話取材で「調査の結果、ユーザーの大半は一日以上、特定の商品を買いあぐねているという結果を導き出した。即日で購入を決めるのは全体の21%にとどまっている。インスタグラムはユーザーらがより簡易に商品決定を行える仕組みを構築した」と答えた。

「モバイルは人々のショッピングを変えつつあるが、現在のモバイルは店のショーウインドウからレジに向かうような煩雑な体験で、ゆっくりと商品を眺めたり、試着することもできない」とクアルレスは言う。「業界側も利用者側も、もっとドキドキするような体験を求めているのです」

「人々の購入スタイルを変える大きなチャンスが広がっています。商品やサービスを吟味し、これを買いたいというプロセスを与えるのです」と彼は付け加えた。インスタグラムがユーザーに新たなインスピレーションを与えるプラットフォームにしたいというのだ。

テストに参加したケイト・スペードの担当者は新機能のストーリーテリング機能を「買い物を行なう人が迅速に購入決定を行なうことに役立つ」と評価した。

「インスタグラムは我々の若手ブランドのケイト・スペード・ニューヨーク・ガールの顧客らが、ストーリーの中でその魅力を発見することに役立ちます」とマーケティング担当者のマリー・ビーチは声明で述べた。

「例えばこの投稿は新作のバッグをパーソラナイズされたグッズとともにフィーチャーし、その人にふさわしいコーディネートで提示します。今回のインスタグラムでの取り組みにより、顧客らにシームレスな買い物体験が提供可能になり、弊社のブランドの訴求機会を拡大します」と述べた。

インスタグラムはこの機能を、時間をかけて世界に拡大する意向だ。今回のテスト結果を踏まえ、同社は製品のリコメンドやモバイルでのショッピング体験の向上に活かす。動画再生機能も用い、近い将来には購入ボタンの実装も検討している。

「この試みが成功を収めたら、アプリのエクスプローラー機能やプロフィール、さらにはストーリーとも連携させます」とクアルレスは言う。「買い物はまるで旅の一部に組み込まれるような体験になるのです」とクアルレスは話した。

編集=上田裕資

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