次期iPhoneの名称は「S」を飛ばして「iPhone 8」となる可能性が高いが、筆者は個人的に、番号自体を廃止して「新iPhone」として仕切り直しを図るのではないかとみている。来年のiPhoneは全面ガラス製となるとの見方が広まっており、少なくとも前面をガラス製とすることにより、「縁無し」ディスプレーを実現するデザインとなる可能性もある。
そうした中、iPhoneの製造を担う鴻海(ホンハイ)精密工業(Foxconn)の副総裁で、同社の傘下に入ったシャープの社長に就任した戴正呉が先週末、母校の台北・大同大学で行った講演で、次期iPhoneに有機EL(OLED)が採用されるとのうわさの信ぴょう性を認めるかのような発言をした。戴社長は次のように語っている。
「iPhoneは進化しており、現在はLTPS(低温ポリシリコン)技術からOLEDパネル技術への移行期にある。OLEDのiPhoneがヒットするかは分からないが、アップルがこの変革の道を選ばなければ、革新は起きないだろう。これは危機であると同時に、機会でもある」
戴社長はまた、シャープが有機ELの生産を強化したことも明らかにした。一方、韓国では、アップルがサムスン電子から1億枚の有機ELパネルを25億ドル(約2,600億円)で購入することで合意したとの情報が出ている。このことから、アップルがサムスンとソニーの両社が製造する有機ELパネルを次期製品で採用する可能性がある。
有機ELは、従来型のIPS液晶と比べてより本物に近い黒を表現できるなど、性能面の多くで優れている他、軽量なため曲面型ディスプレーを実現できる。サムスンが既に有機ELディスプレー採用製品を投入している一方で、アップルのiPhoneは最新の7を含めIPS液晶のままだ。iPhone 8の有機EL採用は、ほぼ間違いないと言っていいだろう。