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テックジャーナリスト


PFNは14年3月、分散機械学習技術のビジネス活用を目的に、自然言語処理技術・機械学習技術分野を手がけるプリファード・インフラストラクチャー(PFI)からスピンオフする形で設立された。PFIでは外部からの資本参加を受けない考えだったが、事業領域を絞り分社化したPFNでは方針を転換、同年10月にはNTTから2億円の出資を受けた。

06年のPFI創業期から一貫して意識したのは、“お互いの専門性を補完し合う”という姿勢だ。実際、東京大学で並列コンピュータを研究していた西川はハードウェア寄り、小学校高学年で圧縮データ技術の研究論文を読んでいた岡野原大輔(共同創業者)はソフトウェア寄りのアプローチを重ねてきた。

「我々は深層学習フレームワーク『Chainer』を提供するなど、機械学習を実現するためのコア技術を自分たちでつくってきました。単に機械学習を使うだけでなく、手法それ自体をゼロからつくれることが、我々の強みといえます」

その姿勢は社員約50人になった現在も変わらない。だからこそ、多様性を重視する同社には、機械学習からロボット工学まで、各専門分野に精通したさまざまな人材が集まっている。今年6月にドイツで開催されたロボット選手権「アマゾン・ピッキング・チャレンジ」では、初出場ながらもピック・タスク部門で準優勝。まさに新星の如く、各国の技術者から注目を集めた。世界でのプレゼンスをさらに高めるため、西川自身、海外の技術カンファレンスで話す機会を意識的に増やしたという。

このほど世界トッププロに勝利して注目を集めた囲碁AI「AlphaGo」。その開発元Google DeepMindを傘下に持つグーグルという強大なライバルが存在するなか、PFNは自社の機械学習技術と大企業との協業関係を生かすことで“その先”を突き進む。世界最高水準まで技術力を高めるなか、西川はどのような未来図を描いているのか。

「コンピューターの強みは、ネットワークでつながることでコミュニケーションや能力交換を瞬時に行える点です。人類がこれまで解けなかった問題についても、誰もが想像できなかったような方法で解決していくでしょう。コンピューターの持つ価値を最大限に引き出すことで、人々の生活をもっと便利にしていきたい」

難病の新規治療方法の発見、事故がまったく起こらない交通環境の構築、生産速度を極限まで上げたロボット工場ー、彼らの技術が実社会で幅広く応用されることに期待がかかる。


プリファード・ネットワークス◎ディープラーニングや高度な機械学習を手掛ける、東大発AIベンチャー企業。米CESで「ロボットカーのデモ」をトヨタと共同実施、初出場した独ロボット選手権で部門準優勝するなど、各国技術者からの評価も高い。大企業と連携し、先進的な取り組みを加速させている。

にしかわ・とおる◎1982年生まれ。東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻修了。大学院在学中の2006年にPreferred Infrastructureを設立。14年にPreferred Networksを設立。

文=土橋 克寿

 

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