ビジネス

2016.10.29 12:00

米で合法化が相次ぐ大麻、カリフォルニアには「大麻ワイン」も


州レベルで育つ関連産業

カリフォルニア州では、医療用大麻の生産と販売は合法だ。嗜好用の大麻も合法化させようとの動きがある。その同州は国内最大のワイン産地でもあることから、ワインと大麻を結び付けようとする考えが生まれるのは避けられないことともいえる。

シンガー・ソングライターのメリッサ・エスリッジが手掛けるワイン「ノウ・レーベル(Know Label)」も話題を呼んだ。エスリッジのワインには、バイオダイナミック農法で栽培されたブドウと有機栽培された大麻を使って生産する「カナ・ヴァイン(Canna Vine)」を生産・販売する同州のワイナリーと、大麻販売業者が協力した。カナ・ヴァインは「ハイになれる」成分が入っているだけあって、価格もかなり「高い」。

こうしたワインは生薬をアルコールで浸出または溶かしてつくる液剤、「チンキ剤」と呼ばれるほか、「グリーン・ワイン」とも呼ばれている。そのグリーン・ワインは、規制当局の目からみれば「大麻」と同じということにはならないのだろうか?

生産者によれば、ワインを発酵させるのに必要な最高温度は、大麻に含まれる向精神物質「テトラヒドロカンナビノール(THC)」を抽出するには低すぎるという。一方、発酵によりその他のカンナビノイド(大麻に含まれる化学物質)は抽出可能なため、ワインにはTHCによる向精神作用ではなく、円熟した「フルボディ」の味わいがもたらされるという。

ただし、筆者が調べた限りでは、デジタルメディア「ヴァイス(VICE)」で食品に関するさまざまな情報を提供する「マンチーズ(MUNCHIES)」が、エスリッジのワインを紹介した記事以外、グリーン・ワインに関する評価を示すものは見つけることができなかった。今のところ、気持ちが高揚するような状況ではなさそうだ。

編集 = 木内涼子

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