ビジネス

2016.10.26

狙うは「独身の日」商戦、ウォルマートが中国で合弁事業を発表

photo by Scott Olson / gettyimages

米小売大手のウォルマートとオンラインモール大手のJD.com(京東商城)が、中国最大のショッピングイベントである「独身の日(光棍節)」に向けて準備を進めている。中国では、数字の1(シングル)が4つ並ぶ11月11日を、独身であることを祝う「独身の日」としている。

ウォルマートとJD.comは2016年6月に戦略的な提携を発表しており、今回両社は数十億ドルの売り上げが見込める独身の日に合わせて3つの合弁事業を立ち上げることを正式に発表した。ちなみに独身の日は、アメリカのブラック・フライデー(クリスマス商戦初日)とサイバー・マンデー(オンラインのホリデーセール開始日)を合わせたよりも大規模なイベントだ。

1つ目の合弁事業は、JD.com上にサムズ・クラブ(ウォルマートの会員制店舗)の旗艦店を出店し、当日および翌日配達サービスを提供する事業だ。ウォルマートはJD.comの倉庫にサムズ・クラブの商品をストックし、JD.comの物流ネットワークを活用して配達を行う。JD.comのユーザーは、サムズ・クラブの商品を会員価格で購入する権利を10日間、無料で使うことができる。

2つ目は、海外法人向けオンラインモールのJDワールドワイド(京東全球購)への、ウォルマート・グローバル店の出店である。これで中国の消費者がウォルマートの商品へのアクセスできるようになる。ウォルマートは継続的にオンラインストアの商品を追加し、JD.comの力を活用して迅速な配達行う。

そして3つ目は、食料品販売サイトのJD Daojia(JD到家)で商品を購入した顧客に対して、ウォルマートの店舗から2時間で配達サービスを提供する事業だ(一部の地域限定)。これはJD到家とクラウドソーシング型配送サービスのDada(达达)との合弁事業となる。

「今回の発表は、JDチームとの何か月にも及んだ懸命な取り組みと協力のたまものだ」と、ウォルマートのダグ・マクミロンCEOは言う。「我々の新たなサービスは、両社の強みを組み合わせ、中国の消費者に世界中の高品質な商品へのアクセスを提供する」
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編集=森 美歩

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