そんな彼女が10月17日、ボストンで開催されたフォーブスの第3回「アンダー30サミット」に登壇し、成功の秘訣を明かした。
2012年に立ち上げたThe Honest Companyの急成長により、今年35歳にしてフォーブスの「最も成功した米国女性」ランキングに入ったアルバの向上心のルーツは、喘息やアレルギーに苦しみ、肺炎で数週間入院することもあった少女時代にさかのぼる。
「絶対にスーパーヒーローになってやると思っていました。病気がちだったこともあり、スーパーパワーを手に入れてあらゆる困難を克服し、世界を救うことを夢見ていたのです」
普通の人が買えるエコ製品を
家庭用品に関心を持ったきっかけは初めての妊娠中、大手メーカーの洗剤を使って腕に発疹ができたことだった。アルバは身の回りの家庭用品に含まれる成分を徹底的に調べ上げ、配合が禁止されている化学物質がEU圏では1,200以上あるのに対し、アメリカではたった11しかないことを知る。その後、米国政府による規制と透明性の強化を求めてロビー活動を始めたものの、党派対立に巻き込まれた。
「問題の本質とは関係のない、政治の争点にさせられてしまいました。私たちは皆、健康と安全が欲しいだけなのに」
アルバの望みは、富裕層向けでもなく、ヨガを欠かさない完全菜食主義者用でもない、一般大衆が買えるエコで安全な製品を作ることだった。その目論見は大当たりし、The Honest Companyはこれまでに2億ドル(約207億円)を資金調達。アルバは現在、評価額17億ドルにのぼる同社株の15~20%を所有している。
9月には、家庭用品大手のユニリーバと10億円ドル(約1,038億円)以上での売却交渉を行っているとウォール・ストリート・ジャーナルに報じられた。
「もともとThe Honest Companyは消費者第一の会社です。(会社の行方に関しても)消費者に主権があると思っています」
事業は常に順風満帆だったわけではない。この1年間で、The Honest Companyは複数回にわたって訴訟を起こされた。いずれも日焼け止めや洗剤などの成分に関するものだ。しかしアルバはこれらの経験を通して、ユーザーとの絆がより深まったと語る。
「毎月、買い続けてくれる人たちが大勢います。私たちは人々の暮らしに変化を起こしたのです。起業家にとって大事なのは、困難に直面しても、それに影響されないことです」