マネー

2016.10.20

膨らみ続けるネットフリックスの制作費、投資家らの楽観に根拠はあるか

リード・ヘイスティングスCEO photo by Jacopo Raule / gettyimages


ネットフリックスのこうした戦略は、制作したオリジナル作品がヒットした場合などにのみ効果を上げる。米銀JPモルガンのアナリストは、「オリジナル作品への依存には大きなリスクが伴う」と指摘する。また、同社は完成した一つ一つの作品について、それぞれが自社にどのような影響をもたらしているのか明らかにしていない。

ネットフリックスは自社の戦略が成功していることを投資家らに示すためにも、オリジナル作品の制作にかかる費用を補うためにも、今後も加入者を増やし続けていかなければならない。

同社はまた、現在600時間のオリジナル作品の配信時間を、2017年にはほぼ倍増させ、1,000時間超とする計画だ。だが、オリジナル作品の制作による同社の負債は、すでに144億ドルに上っている。

ネットフリックスは、難しい状況に置かれているといえる。それでも同社は、オリジナル作品が初期に多額の出費を伴うとしても、使用許諾権にかかる費用を長年にわたって支出することに比べればコスト抑制が可能であり、長期的には財務管理が容易になると主張している。

前出のパクタ―は、こう述べている。「投資家らは(ネットフリックスのフリーキャッシュフローの)現金燃焼率に無関心なようだ…私たちは、その無関心さを奇妙なことだと受け止めている」

編集 = 木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事