インテルは昨年、167億ドル(約1.7兆円)でアルテラを買収したが、その狙いはデータセンター向けプロセッサ市場における優位性を維持することだ。インテルは既にサーバー用プロセッサとFPGAを組み合わせた製品を展開し始めている。マイクロソフトも、データセンターでのAI(人工知能)機能を高めるために、FPGAの自社開発を検討している。
「FPGAに対する関心は爆発的に高まっている」とクリーウェルは話す。アップル以外にもFPGAをスマートフォンに搭載しているメーカーはあるが、その数は少ない。サムスンは2014年に発売したギャラクシー S5にラティスセミコンダクター社製のFPGAを搭載していたが、FPGAの用途を明らかにしないまま、翌年リリースしたギャラクシー S6では使用を中止した。
アップルは新型iPhoneに次々とAIを活用した新機能を実装している。例えば、iPhone 7にはアップルが独自に設計したISP(イメージ・シグナル・プロセッサ)が内蔵され、コンピュータ・ビジョン・アルゴリズムを実行している。端末上にAIを搭載することで、主にクラウドベースでAIを提供するグーグルなどと差別化を図ろうとしている。端末上で処理を行った方が、全てのデータをクラウドに送信するよりも安全性が高いというのがその理由だ。