秋になり人気は下降したが、現在もポケモンGOが人気ゲームであることに変わりはない。しかし、メディアが盛んに報じたポケモンGOの「経済効果」は、誇大に宣伝されたものだったことが明らかになった。
今夏、全米各地でポケモンGOの効果が報じられた。ニューヨークのクイーンズ地区では7月、ポケモンキャラのヒトカゲが30%の売上増をもたらしたとブルームバーグはリポートした。ワシントン州では閉店の危機に瀕したアイスクリームショップをポケモンが救ったとの報道もあった。ニューヨーク州スタテン島の商店主らはポケモンGOイベントで客を募ろうとした。
サクセスストーリーが広まるにつれ、フォーブスも含め多くのメディアが「いかにこのトレンドで利益をあげるか」という記事を掲載した。
ボーイング社に13年勤務し、現在は調査企業Womplyでアナリストを務めるジェイソン・シューも、そんな成功談を興奮気味に読んでいた一人だ。創業5年のWomplyはサンフランシスコに本拠を置き、クレジットカードの履歴から200万軒以上の商店の売上データを解析している。シューはポケモンGOがいかに売上に貢献したかをデータで示そうとしたが、残念ながら有意なデータは見つからなかったという。
「統計学的な見地から見ると、メディアで言われるような効果は確認できず、落胆しました」とシューは言う。
「ポケモンGO関連の報道の問題点は、数多くの事例の中から有利なものだけを取り上げていることにある」とシューは言う。POSシステムのメーカーRevel Systemsはポケストップ付近の商店の売上が週2,000ドルの売上増を記録し、客数は82%の増加だったとしている。
しかし、このデータはニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコの3都市のみのもので、しかも旅行者が増える7月の集計だ。Revelの統計ではポケストップ付近の商店は63%増の売上を記録したが、Womplyの統計によると、ポケストップが周囲に無い商店らもほぼ同様に61%の売上増を記録しているのだ。