ビジネス

2016.10.18 12:00

米小売業の年末商戦、ネット販売増加で実店舗も恩恵か


ブルームリーチのマーケティング部長を務めるジェイソン・シーバは、「まずアマゾンを利用する、という状況は今後も続く」と指摘。その背景には、優れたエンドツーエンドのユーザー体験があると説明している。

デジタルでの購入が増加、売上高は2桁台に

市場調査会社eマーケターによると、デジタル販売チャネルを通じた小売売上高は今年11月と12月、全体の10.7%に当たる947億1,000万ドルに達し、過去最高を記録する見通しだ。さらに、 ICSCの調査によれば、買い物をする予定の人たちの85%は実店舗に足を運ぶ前に、ネットで下調べをすると答えている。

eマーケターによると、モバイル端末を通じた販売(Mコマース)の2016年の売上高のうち、スマートフォンによる売上高は初めてタブレットを上回り、672億3,000万ドル(Mコマース全体の58%)に達する見通しだ。同社の小売業界担当アナリストは、「画面サイズが大きくなったこと、モバイル設計の改善、支払い方法の選択が簡単になったことなどが、スマートフォン経由の売上高の急激な伸びに寄与している」と話している。

デジタルプラットフォームの効果

デジタルプラットフォームは、私たちの考え方を変えているだけでなく、買い物の仕方を再定義している。デロイトのサイズによれば、「大手ネット通販業者とフェイスブック、ピンタレストなどのデジタルプラットフォームが、多くの人たちが素晴らしいと思う買い物経験を形づくっている。ビジュアル、情報、販売元へのアクセスを整え、すぐに購入することができるキュレーション型のサイトの増加だ」という。

「これらの大手プラットフォームは従来型の小売業者より顧客とつながりが深い。そのため小売業者にとっては、この年末商戦にデジタルマーケティングを取り込むことが重要だ」

それでも支配的な「店舗」

それでも休暇シーズン中の買い物といえば、やはり店舗で、と考える人が大半だ。91%の人たちが、実店舗で購入すると回答している。ICSCによると、実店舗を持つ小売業者のネット通販を利用する人を含めると、その割合は96%に上る。

編集 = 木内涼子

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