ソフトバンクによる「ツイッター買収」はなぜあり得るか?

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世界進出への意欲

ソフトバンクの最重要市場は日本であることに変わりはないが、一方で同社は世界各国での事業展開や企業買収を行ってきた。ツイッターが世界各地で収集した大量の顧客データは、同社にとって貴重な知見をもたらす可能性がある。ソフトバンクは特に、米国に対し大きな関心を寄せている。

有り余る資金

ソフトバンクは最近、IT企業に投資する10兆円規模のファンドをサウジアラビア政府と合同で設立すると発表した。奇遇にも、サウジのアルワリード・ビン・タラール・ビン・アブドルアジズ王子は、ツイッターで2番目に大きな個人株主だ。

ソフトバンクは今夏、英国の半導体設計会社ARMを310億ドルで買収。さらに先週には、他のファンドと共に米バイオテクノロジー企業ザイマージェン(Zymergen)に1億3000万ドルを投資した。わずか数か月の間の支出としては、膨大な額だ。

こうした買収や投資は、新事業領域進出の手段としてのM&Aを恐れないソフトバンクの姿勢を示している。同社がまだ大規模な投資をしていない領域にソーシャルメディアがあるが、孫正義CEOは以前、いずれはソーシャルメディアに進出するとの見解を表明していた。またニケシュ・アローラ前副社長は昨年、ソフトバンクが「適正価格での」ツイッター買収に関心を持っていると発言していた。

ツイッターの株価は、記事執筆時で16.90ドル。時価総額は120億ドルとなる計算だ。残された疑問は、ソフトバンクのソーシャルメディア進出にとってこの額が「適正価格」なのかどうか、そして、ツイッター買収がその目的に適しているのか否か、だ。

翻訳・編集=遠藤宗生

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