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2016.10.16

高タンパク質の食事は「味方」ではない? 注意すべき研究結果が明らかに

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さらに、「われわれのデータによれば、酸化ストレスが関連している可能性が考えらえる。ただし、まだメカニズムを完全に解明するまでには至っていない」と説明した。

高タンパク質の食事が健康に良いものではないとする研究結果が示されたのは、今回が初めてではない。南カリフォルニア大学のチームが行い、数年前に結果が公表された研究では、糖尿病とがん発症リスクの上昇、死亡率の上昇が指摘されている。

ただ、この研究結果は同時に、摂取するタンパク質が肉と乳製品に偏った場合にのみ、こうした危険性が高まるとみられることも分かっている。植物性タンパク質の場合には、多く摂取してもそうした結果は得られなかった。摂取するタンパク質の種類が糖尿病のリスクに影響を及ぼしているのかどうか、興味深い点だ。

研究を主導した同大学の研究者は、「高タンパク質の食事とインスリン抵抗性の関連性を臨床的に確認することができたという点で、素晴らしい予備的研究になったといえる」と述べている。

また、「過去の疫学研究により、タンパク質の摂取量が増えることで糖尿病の発症率が上昇するとの結果が示されている」ことに加え、「マウスとヒトを使ったそれぞれの遺伝学研究からは、タンパク質を活性化させる成長ホルモン受容体の欠損が、肥満の場合でも糖尿病の発症を抑えているとみられることが分かった」という。

今後のさらなる研究が、タンパク質とその種類が私たちの健康にどのような影響を及ぼすのかを明らかにしてくれるだろう。現時点での最善のアドバイスは、「推奨される量以上のタンパク質は摂取しないこと」に尽きると言えそうだ。さらに、これまでの研究結果からみれば、摂取するのは植物性タンパク質にしておくべきだと言えるのかもしれない。

編集=木内涼子

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