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2016.10.15

男性雑誌の老舗「ペントハウス」がヌードを捨てない理由

Lorado / gettyimages


ネットの無料ポルノには負けない

「でも、この欄がこんなに支持されていることは、実際に編集に関わるまで見えてきませんでした。メールで不満の声を寄せてくれた読者たちは、今では大切な相談相手になりました」

ペントハウスの再生にあたり、ホランドが心に誓ったことがある。それは「ヌードの掲載中止を決めた、プレイボーイの二の舞いにはなりたくない」ということだ。彼女はプレイボーイの元CEO、スコット・フランダースの決定を「愚かな判断だった」とこきおろす。フランダースはかつて「ヌード雑誌は無料のインターネットポルノに駆逐される」と述べた。

「私に言わせれば、無料ポルノが滅ぼすのは別の無料ポルノサイトです。それは出口の無い下水管の中の争いのようなもの。私は無料ポルノを敵だとは思いません。私たちのヌードは無料のポルノとは別の物だから。どっちが質的に優れているという話ではなく、全く別のカテゴリに属する物なのです」

ヌードは時代遅れなのかもしれないという疑問に彼女はこう答える。

「レオナルド・ダビンチがヌード画を描くとき、ギリシャ人もヌードを描いていたから、自分の仕事が時代遅れだと思ったでしょうか?」

「プレイボーイのヌードの掲載中止を決めたのは根性の無い銀行家や、安全な場所から意見を言いたがる企業をとりまく人々です。ブランドというのは人間と同じで、同じDNAを持ち続けます。ペントハウスにとって美しい女性のヌードを載せることは、遺伝子として受け継いだものなのです」

雑誌「ペントハウスは」の発行は多角化を進める同社にとっての一部門だ。放送部門では100カ国以上で10の有料チャンネルを展開する。13ヶ所のジェントルマンズ・クラブも各国に存在するほか、グッズのライセンスビジネスや海外向けの出版権販売も行なっている。

ホランドの指揮下で、今年の年末にはフロリダに新たな「ペントハウス・パブ」を出店する。その後のラスベガスでの新規出店の話も進行中だ。新生ペントハウスの挑戦はまだ始まったばかりだ。

編集=上田裕資

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