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2016.10.29 14:00

指揮者、西本智実が「音楽家と時計職人」にみる共通点

指揮者 西本智実氏(写真=後藤秀二)

イルミナートフィルを率いる西本智実が、芸術監督と演出・指揮を手がけ、8月に公演されたバレエ『くるみ割り人形』。この舞台には、作品同様、子どもたちに未知の世界への入り口が用意されていた。

「完成した舞台を観てもらうだけではなく、ステージやオーケストラ・ピット、たくさんの人々が準備する開演前の舞台裏にも、子どもたちを招待しました」

4歳のときに観たバレエ『白鳥の湖』の感動が、マエストロの出発点だった。しかし昨今は、未就学児が入場できない舞台も多い。今回はスイスの機械式時計マニュファクチューIWCとの協働で、かねてから念願だった子どもたちの招待が実現した。

「作曲を学ぶときには、偉大な作曲家が遺した作品を、最小単位のピースに分解し、細かな仕組みを解析します。指揮者も同様で、原初の小さな揺れまで遡り、そこから一つひとつ部品を組み上げていく」。だから、音楽家と時計職人はどこか似ている、と西本は言う。

音楽は、一瞬と悠久を超え、人を時の旅人に変える。隠れキリシタンの島、生月島に口伝で残る聖母マリアへの賛歌は、約450年の時を経て、西本の指揮でヴァチカン、サン・ピエトロ大聖堂の枢機卿ミサに歌われ、東洋の奇跡とたたえられた。

ひとり楽譜に向かう時間、ふと、IWCポートフィノを眺めることがある。機械式時計はマエストロに何を語りかけるのか。間もなく、回り舞台と花道を擁する松竹座で、西本が芸術監督・演出・指揮を務めるオペラ『蝶々夫人』の幕が上がる。



ポートフィノ・オートマティック 37
繊細なサンレイパターンの文字盤がニュアンスある表情をつくり、レッドゴールドのケースに品よくあしらわれたダイヤモンドが、エレガントに煌きを放つ。サントーニ社製アリゲーター・ストラップ。着用モデルはストラップの色をグレーに変更している。自動巻き、 37mm径、¥1,987,200。


にしもと・ともみ◎イルミナート芸術監督兼首席指揮者など。ロシアの国立交響楽団および国立歌劇場の指揮者ポストを外国人で初めて歴任。約30カ国より指揮者として招聘。2015年エルマウ・2016年伊勢志摩G7サミットに向け日本政府が海外へ日本国を広報するTVCM・日本国政府公式英文広報誌に国際的に活躍している日本人として起用された。ハーバード大学院に奨学金研修派遣され修了。

文=橋場一男 、写真=後藤秀二、編集=高城昭夫

この記事は 「Forbes JAPAN No.29 2016年12月号(2016/10/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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