10月6日に発行された最新のニュースレターによると、EU加盟国の一部ではEVの購入を推進するための施策が講じられているものの、「西欧での市場シェアは、昨年の低い水準から変わっていない」。さらに懸念すべき点は、これまでEVの人気が高かったノルウェーで、消費者が急速にBEV離れを起こしているとみられることだ。
AIDの編集者、マティアス・シュミットはこれについて、同地域では全体的にプラグインハイブリッド車(PHEV)への注目度が急激に高まっており、それがBEVの人気低下につながっているもようだと指摘する。
一方、フランスではディーゼル車の所有者がEVに乗り換える場合、政府が10,000ユーロ(約114万4,000円)の「スーパーボーナス」を支給している。同国のこうした奨励策の効果を考慮しなければ、西欧全体でみた場合のEV(PHEVを除く)市場は、一層弱含みの状況となっていただろう。
AIDは、仏ルノー・日産アライアンスのEV「ゾエ」の国内市場での好調な結果がなければ、西欧全体での販売台数は今年1~8月、前年比で-6.1%、8月には同-6.7%を記録していたと推計している。
テスラの動向も気になるところだろう。テスラの販売台数も、同期間中に21.4%減少した。ただ、同社は8月にSUV「モデルX」の販売を開始。ノルウェーでは同月だけで、前年比53.6%増を記録したと伝えられている。
各社を救うのはPHEV
ディーゼル車の人気が落ちている中で、EU域内の自動車メーカーは排ガス規制が2020年に厳格化されるのを前に、主力をEVに切り替える必要に迫られている。