ビジネス

2016.10.16

ティファニー・ジャパン社長が語る「ブルーボックスの魔法」

ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク社長 ダニエル・ペレル氏(写真=網中健太)

インターナショナルジュエラーのティファニー・アンド・カンパニーが、7月29日にブランド初となるブライダルに特化した専門ストアをオープン。東京・銀座の同店のお披露目を訪問し、このオープンの狙いを聞いた。

東京・銀座の銀座中央通りは、ティファニー銀座本店をはじめ数々のジュエラーやブランドのブティックが立ち並ぶ華やかなエリア。この通りから一本裏手に入った静かで落ち着いた場所に、今年7月29日にオープンしたのが「ティファニー銀座本店 ブライダルブティック」だ。

ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク社長のダニエル・ペレルが「ティファニーとして世界で最初の試みが、まずこうして出発点に立ったことを嬉しく思っています」と語るとおり、世界中に展開する同社のブティックの中でも初となるブライダルに特化した店舗だ。

プラチナの6本爪で高くダイヤを持ち上げる「ティファニー セッティング」は、今年が誕生から130周年。同社が考案した独自のデザインで、いまやエンゲージメントリングのスタンダード。世界中のカップルに愛されるリングだ。

「日本は当社において非常に重要な、大きなマーケットです。多くの若いカップルが私たちのブティックを訪れます。嬉しいことではありますが、その半面、時に店内は混雑します。ですが、一生に一度のリングを購入しようとするお客様には、ゆっくりとリラックスした雰囲気のなかでご提案を行い、リングを選んでいただきたい。そう考えてこのブティックをオープンしました」

ペレル氏は続けて語る。「お客様の体験はドアを開けた瞬間に始まります」。店舗は完全予約制。入り口のレセプションデスクで専任スタッフが来店客を出迎え、このストアのために設計されたテーブルにはティファニーの代表的なエンゲージメントリングのコレクションが収められている。つまり、来店客は席にすわったまま、ゆっくりリングを眺めることができる。

ブランドの強みを尋ねるとペレル氏は「全体像として美しいことです」と答えた。1万円で買えるリングから、数億円というリングまでもが存在するティファニー。そのいずれを購入したとしても「ティファニーの一員になれた」と感じられることがティファニーの独自性だと説明する。

「私はそれを”ブルーボックスの魔法”と呼んでいます。このボックスもまたお客様にとってのティファニーという体験の一部であり、その体験のすべてが美しいことがティファニーでは重要だと考えています。このブティックも同様です。ドアを開けるところから始まる体験のすべてがティファニーの洗練された美しい世界である、そんな幸せな時間をぜひ皆さまにご堪能いただきたいと思っています」

ダニエル ペレル◎ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク社長。1956年、フランス生まれ。エセック経済高科大学院修了。リシュモングループで日本におけるカルティエの社長をはじめ数々のラグジュアリーブランドで実績を積み、スウォッチグループジャパンの代表を経て2012年2月より現職。

編集 = Forbes JAPAN 編集部、写真=網中健太

この記事は 「Forbes JAPAN No.27 2016年10月号(2016/08/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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