自動運転フル稼働に必須の「レベル5」までの遠い道のり

グーグルの自動運転車 photo by Chesnot / gettyimages


都市部での導入は2028年?

人工知能は学習したことのない状況に直面したときに、人間の直感のように瞬時に判断することが極めて難しいとカーネギーメロン大学のコンピュータサイエンス学部のアンドリュー・ムーア学部長は指摘する。

「最後の10%、最後の1%が本当に難しい。都心部での自動運転が実現するのは、2028年になるだろう」とムーアは最近のインタビューで述べた。

「歩道で遊んでいる子供が突然車の前に飛び出してきたときに、人間であればとっさに対処できる。しかし、人工知能が信頼性を確立するためには子供型ロボットを使って5、6年は集中的に実験を行うべきだ」とムーアは話す。

サイバーセキュリティ対策も自動運転車の実現においては大きな課題だ。自動運転車はクラウド上のデータや地図ネットワークに接続するため、ハッキングの脅威に晒される。

「コネクテッドカーの普及に伴い、自動車業界においてはサイバーセキュリティへの取組みが重視されている。特に自動運転車にとっては重要な問題だ」とIHS マークイットでリサーチ・ディレクターを務めるEgil Juliussenは話す。

IHS マークイットの最新レポートによると、サイバーセキュリティ対策ソフトウェアの市場規模は、自動運転車テクノロジーの普及により2023年までに7億5,900万ドルまで成長するという。

「自動運転車を実現するに当たって、我々はどの程度のリスクを許容すべきなのか考えなければならない。人間の能力並みのテクノロジーでは不十分だ。メーカー各社は、人間をはるかに超えるパフォーマンスを達成しなければならない」とKalraは述べている。

編集=上田裕資

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