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2016.10.05

GM、強気姿勢は維持も「業績悪化への備えはある」

photo by Bill Pugliano / gettyimages

各自動車メーカーは、近い将来に業績がひどく悪化することはないとアナリストや投資家たちを安心させようとしている。しかしその一方で、万が一そうした事態になっても備えはできている、というアピールも行っている。

例えば米ゼネラル・モーターズ(GM)は、9月下旬に発表した戦略的事業概要の一部に「業績悪化に備えた堅固な保護措置」を据えた。

この中でGMは、業績悪化の際にはコスト削減が可能だと強調。同社は業界全体の売上が記録的水準(あるいはそれに近い水準)にある現在でも、「2018年までに55億ドル(約5,578億円)コストカットする」という目標を上回るペースで達成しつつあると言及した。現段階で既に24億ドル(約2,434億円)以上のコスト削減をしたとしている。

GMによれば、同社の取り組みは他の自動車メーカーと同様に、製品ポートフォリオの複雑さを軽減させ、多くの異なる車種のベースとなり得る基本的な「アーキテクチャ(構造)」に絞っていくというものだ。

また設備投資については、今後も堅実かつ柔軟性のある支出を行っていくと言明。加えて、2016年前半の終了時点でオートモーティブ関連の流動資産は341億ドル(約3兆4,532億円)だったとしている。

最後に、GMはもしも米国新車販売台数が季節調整済み年率で1,000万~1,100万台/年に落ち込んだとしても、利益性を維持できる可能性があると主張。同社の2007年の損益分岐点は1,600万台/年だったという。

アメリカの新車販売台数は2015年、1,750万台に迫り、過去最高を記録。2016年はこの水準をわずかに下回る程度になるだろうと予想されている。

それでもアナリストたちは、世界の石油生産量がピークに達してその後は減少に転じるという「ピークオイル論」ならぬ、「ピークオート論」について思い悩まずにはいられない。自動車の売上が好調だと、あとは減少に転じていくだけだろうという懸念があるのだ。

GMのチャック・スティーブンスCFOは、第2四半期(4~6月期)の決算報告を行った7月の投資家向け電話会議で、自動車業界の業績悪化の可能性についての質問に、こう答えている。

「当社としては、米自動車業界が今後も堅調であり続けるという見方を維持している。今年の後半も来年にかけても、年間の販売台数1,700万台半ばのレンジは変わらないだろうという見方だ」

「主な経済指標と年間の販売台数(季節調整済み年率値)に影響を及ぼす指標は、依然として堅調で好ましい数値だ。これらの数値が今年の後半も、そして2017年もさらに改善されていくことを期待している」

編集=森 美歩

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