テスラ追撃狙う「ファラデー」 韓国LGからバッテリー調達

ファラデー社のFFZERO1 photo by Alex Wong / gettyimages

米ロサンゼルスに本拠を置くEVメーカー、ファラデー・フューチャーは韓国LG化学とリチウムイオンバッテリーの供給に関し、提携を結んだ。声明で両社は「業界最高レベルの高エネルギー密度バッテリーの開発を進める」と述べた。

イーロン・マスク率いるテスラのライバルとも言われるファラデー社は、中国のオンライン動画サービス「LeEco(楽視)」創業者のジア・ユエティン(Jia Yueting)らが2014年に創業。今年のCES で、コンセプト車「FFZERO1」を発表し、「今後多様なEVコネクテッドカーを市場に導入していく」と述べていた。

ファラデー社の国際サプライチェーン部門のTom Wessnerは声明で「LG化学は弊社と緊密に連携し、安全で多様な目的にかなう独自バッテリーの量産に向けて動いている」と述べた。ファラデー社のEV車の発売時期や価格、その機能については明らかにされていない。

ファラデー社のEVは「バリアブル・プラットフォーム・アーキテクチャー(VPA)」と呼ばれるモジュラー型のシャシー機構を持ち、多様な車種やデザインへの対応が可能な点が特徴だ。

シリコンバレーに研究所もオープン

車載バッテリー分野の先進企業として知られるLG化学は、これまでリチウムバッテリーをGMの「ボルト・プラグ・イン・ハイブリッド」や「ボルト・オールエレクトリック・ハッチバック」に供給し、一充電で230マイル以上の走行を実現している。

ファラデー社のユエティンは、カリフォルニアに本拠を置く別のEVメーカー、アティエヴァ(Atieva)にも出資を行なっている。また、4月にはLeEcoブランドの自動運転EVカー「LeSee」を北京のモーターショーで公開。LeSeeは「マシンラーニングを駆使し顔認証や感情認識、歩行者認識が可能な完全自動運転機能を装備する」とされている。

LeEcoとファラデー社はシリコンバレーに共同の自動運転リサーチセンターを所有し、4月にLeEcoは米国本社をサンノゼにオープンした。

ファラデー社は依然として同社の製品の詳細を明らかにしていないが、4月から10億ドルを投じた組み立て工場建設をラスベガス近郊で始動した。ネバダ州財務局のDan Schwartzは7月、ファラデー社の動きに疑問を呈し、インフラ構築における州の支援の必要性を訴えていた。

ファラデー社の新型EVがどのようなものになるにせよ、市場の競争激化にさらされることは必至だ。参入が相次ぐEV車市場は全体的には売上が伸びているものの、ここ2年に及ぶ米国でのガソリン価格の低迷が、その需要の足を引っ張るかたちになっている。

編集=上田裕資

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