このアプリを開発したルーズイット!はウェブサイトで、「食事の記録と追跡は、写真撮影と同じくらい簡単になった」と説明している。
「体重を減らすために必要なのは、写真をルーズイット!にアップロードすることだけ。スナップイットが写真の食事について確認し、カロリーや栄養成分について教えてくれる」という。
ルーズイット!のチャールズ・ティーグ最高経営責任者(CEO)によれば、同社は今後、収集した情報からデータベースを作成する方針だ。
まだ多くの問題点も
ただし、ルーズイット!を試したマサチューセッツ工科大学(MIT)のチームによれば、結果として得られる情報の正確さにはまだ、ばらつきがある。特に、個別に撮影した食品ではなく、献立として一食のメニュー全体を映した場合に問題が生じる。
「一回の食事として取ったもの、パスタとリンゴ、炭酸水の缶を一度に撮影したところ、候補の食品のリストが表示され、その中から実際に食べたものを選ばなくてはならなかった」という。さらに、そのリストの中にあったのは「グラノーラ、アイスクリーム、ケーキ、サンドイッチ」で、実際に食べたものは含まれていなかった。
ファストカンパニー(FastCompany)誌のライター、ニール・アンガーライダーもまた、このアプリの使用には問題があるとの感想を持った。アプリはコーヒーの写真を、スープやミルクシェークと認識したのだ。
「コンピューターの画像認識技術に最大の問題がある。管理された環境下で特定が簡単なものを撮影した場合には素晴らしい結果を出すが、現実の世界はより乱雑だ」
さらに、これら2人に共通する意見は、このアプリが進出しようとする市場がすでに、飽和しているということだ。新規参入は難しいかもしれない。
インスタと食事に関する別の事実
一方、ザ・アトランティック(The Atlantic)誌に掲載された記事によると、インスタグラムは生鮮食料品を買える店がほとんどない地域「食品砂漠」に関する調査のためのツールとして活用され始めているという。
ジョージア工科大学インタラクティブ・コンピューティング学部のムンムン・デ・チョードリー助教によれば、「米国内ではどの地域でも、食品砂漠で撮影され、インスタグラムに投稿される料理はその他の地域から投稿された写真よりも、コレステロールや砂糖、脂肪の含有量が多い」というのだ。
レストランガイド「ザガット(Zagat)」の調査によると、米国の26都市で1万人を対象に実施したアンケート調査の結果、回答者の60%は一緒に食事をする人を待たせて、写真を撮影したことがあると答えている。だが、インスタグラムには上述のような道理のある使い道があることを考えれば、レストランで料理を前に待ったをかけられたときのいら立ちも、和らぐかもしれない。