後半では、学生がインターン先のCEOから与えられた課題へのソリューションを発表した。ABEJA代表取締役社長CEO岡田陽介、アイレップ代表取締役CEO紺野俊介、Recruit Institute of Technology推進室室長石山 洸、そして本誌編集長高野 真の4人が審査員を務めた。
優秀賞に輝いたのは、デリー大学で経済学を専攻する学生と、ペンシルベニア大で経済学を専攻予定の学生のペア。C CHANNEL海外事業開発部でのインターンを経て、動画サービスのアジア進出に向けたマーケティング戦略を発表した。ローカルのメディア市場の特色を押さえた具体策が評価された。
印象的だったのは、学生3組のうち2組がディープラーニングを活用しての課題解決法を提示したということだ。「2011年ごろに事業を始めた当時は、ディープラーニングがどのようなものなのかまったく理解されていなかった」と、岡田は学生らの感度の高さを評価した。
また、紺野は、「社会課題に対するテクノロジーの活用法が考えられていたこと、そしてグローバリゼーションの裏返しとしてのローカリゼーションに目が向けられていたことにネクスト・ジェネレーション感があった」と、次世代としての今後に期待を示した。ビデオメッセージで参加した森川からは「世界でいろいろな変化が起こるなかで、いちばんのリスクはチャレンジをしないこと」とエールが届いた。
プログラムを経て、海外学生の日本企業への印象も変わった。「日本の企業は保守的・官僚的で決断が遅いというイメージを持っていたが、C CHANNELのフラットな組織では、インターンの意見も平等に取り上げられた」と、受賞者の学生は振り返る。日本のストリートカルチャーの海外発信という課題に挑んだハーバード大2年生は、次世代の企業の最前線でどのような変化が起こっているのかを見てみたいという想いでプログラムに参加したが、速いペースで物事が進む環境に刺激を受けたそうだ。
Nexgenは、来年からアジアの他の地域への進出を視野に入れている。「一緒にアジアに行きたいという方はぜひ声をかけてください」と羽根が締めくくり、プログラムは盛況のうちに幕を閉じた。
パートナー企業からのコメント
シンギュラリティの到来が人類への脅威という文脈で語られることの多い人工知能。その人工知能を活用して人の幸せを追求するという先進的かつ探究的なテーマをリクルートが主導してグローバルに問いかけるような場はかつてなかったように思う。
「自ら機会をつくり、機会によって自らを変えよ」。答えのない問いを投げかけ、議論を尽くし、相互理解を深めるムーブメントを起こし、グローバルでも自己変革し続けることができる組織でありたい。
岡本彰彦◎リクルートホールディングス執行役員。2007年リクルート入社。全社ウェブ戦略室投資アライアンスユニットユニット長、R&D戦略室投資開発ユニットエグゼクティブマネジャー、リクルートホールディングスR&D戦略室 室長を経て2014年4月よりリクルートテクノロジーインスティテュートHead of Institute。