ヨーロッパでの先行きはさらに不透明だ。サムスンの欧州部門でチーフ・マーケティング・オフィサーを務めるデービッド・ローズは、Sammobileに対して次のように述べている。
「11月末までには、全世界でGalaxy Note 7の販売を再開する予定だ」。現段階では「4Q中」ということ以外、具体的な日程は示されていない。恐らくサムスンは状況をコントロールしつつあり「顧客への約束は控えめにして、期待以上の結果を届ける」という方針に則って対策を講じているのだろう。
リコールが業績に及ぼすダメージについては、今後数週間から数か月を経て明らかになるだろう。トラブルさえ起きなければ、「Galaxy Note 7」は、現在売られているAndroidスマホの中で最も高い評価を得ており、サムスンにとっては今年の稼ぎ頭になるはずだった。端末の自主回収を開始する前には、昨年リリースした「Galaxy Note 5」の出荷台数を25%も上回るペースで売れていた。しかし、リコールの影響によって、サムスンの今年のファブレット出荷台数は、昨年実績の60%を達成するのも困難だとアナリストたちは見ている。
「被害状況」は今月の発表で明らかに
Note 7の販売再開直後の売れ行きを見れば、サムスンの受けたダメージの大きさを測ることができるだろう。サムスンは、10月にQ3の業績発表を行う予定で、Note 7のリリースからリコールまでの期間の業績が明らかになる。市場関係者は、サムスンの3Q営業利益は前年同期比マイナス8%になると見込んでいる。
サムスンには、来年リリース予定の「Galaxy S8」を必ず成功させなくてはならないというプレッシャーが重くのしかかっているはずだ。「Galaxy S7」と「S7 Edge」で築いた勢いを維持するだけでなく、Note 7によるマイナスイメージを払拭させなくてはならない。それを踏まえ、Note 7の復活はサムスンにとって、自社のプライドを掛けた取組みだ。そのためにも、一刻も早く販売を再開し、2016年に販売されたAndroidスマホの中では最高機種であることを証明することが求められる。
訂正:10月3日12時55分、情報を更新し再送します。