だがさらに興味深いのは、全ての世代の中で最もきちんと学費の準備をしているのが、35歳未満のミレニアル世代だということだ。
ミレニアル世代は、ほかの世代よりも子どもの大学の学費を支払える自信があり、そのための貯蓄により熱心で、66%が学費の貯蓄目標額を設定している。これに対して、X世代で貯蓄目標額を設定しているのは47%、ベビーブーマー世代は35%だ。
貯蓄総額もミレニアル世代はほかの世代より多く、預金残高の平均は2万155ドル(約204万円)。これに対してX世代は1万2,428ドル(約126万円)、ベビーブーマー世代は1万8,323ドル(約186万円)だ。貯蓄をするにあたって「529プラン(公的な積み立て制度)」を利用する者も、ミレニアル世代の方が多い。
サリーメイの広報担当であるリック・カステリャーノは「ミレニアル世代は大学の学費について、口で言うだけではなく実際により多くの貯蓄を行っている」と指摘する。
その理由は、景気回復を最も強く実感しているのがこの世代だからかもしれない。「ミレニアル世代の失業率は劇的に改善している」と、イプソスのジュリー・クラーク上級副社長は言う。「彼らの行動には、将来についての楽観的な見方や自信が反映されている」
大学についての考え方の違いも反映されているのかもしれない。ミレニアル世代はその他の世代に比べ、子どもの大学費用は親が全額負担すべきと考える割合が38%と高くなっている。X世代とベビーブーマー世代の親たちは、子どもも大学費用を一部負担すべきと考えている者がより多いのだ。
一般に529プランを利用する人は増えているが、それでもまだ全体としては少ない。2016年度の調査では、529プランを利用していると回答した人は全体の37%で、2015年の27%よりは多かった。だが61%の回答者は依然として、大学費用を貯めるのに普通預金口座を使っており、38%は当座預金口座を使っていると答えた。
「これは普通預金口座の方が柔軟性がある(またはそう思われている)ことと大いに関係がある」とカステリャーノは指摘する。「何かあった場合に、529プランは、一部解約などをすれば課税対象となったり、違約金を取られたりするのではないかというイメージを持たれているのかもしれない」
2016年は、大学費用を支払う予定があると回答した人が初めて50%を超え、51%に達した(2015年は42%だった)。実際に支払う予定がある親たちは、より多くの貯蓄をしているためこれはいい数字だ。学費を払う予定のある親の貯蓄額は平均で1万8,389ドル(約186万円)、予定のない親の貯蓄額は平均で1万468ドル(約106万円)だった。
カステリャーノは、こう言っている。「学費の支払いをするには、調査を行って専用の貯蓄口座を開設する必要がある。子どもを持つ親たちが、実際に必要な措置を講じて行動を起こしていることは、とても心強い傾向だ」