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2016.10.02

ストリーミングで激変の音楽業界 未来の鍵は「プレイリスト」が握る

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アップルミュージックやスポティファイといった音楽ストリーミングサービスが普及する中で、人々の音楽の聴き方が激変していることが分かった。

音楽の消費動向をリサーチするNPO団体、ミュージック・ビジネス・アソシエーションの発表によると、ストリーミングサービスで音楽を聞くユーザーの中で、プレイリスト経由の聴取が31%に達し、初めてアルバムを上回った。

アルバムでの聴取は前年度から下落し22%となった。1位は依然46%を占めるシングルだが、プレイリストの影響力は確実に増している。

ストリーミングサービスにおいてプレイリストがいかに重要かは、サービスを利用したことがある人なら分かるだろう。ストリーミングが誕生した当初は、人々は特定のアーティストや楽曲へのアクセスを求めて利用を開始したが、その後「新しい音楽の発見」こそがサービスの醍醐味であることに誰もが気づいた。そして、その目的に最もふさわしい聴取スタイルが、プレイリストなのだ。

ストリーミングの利用者らは今や、一枚のアルバムを通して聴くよりも、アプリ内のコーナーやキュレーションされたプレイリストから音楽を楽しんでいる。世界中の数百万人という音楽ファンたちは、自分の好みの楽曲を探す手間をかけず、音楽を聴くスタイルを選んでいるのだ。

スポティファイはアルゴリズムを用い、ユーザーの好みの楽曲のリコメンドを行なっている。同社は独自ランキングのDiscover WeeklyやRelease Radarを通じ、数十億件にのぼる聴取データを取得。そこから生まれた人気のプレイリスト、Today’s Top HitsやelectroNOW、Rap Caviarは数百万人のフォロワーを獲得している。

アップルミュージックも当初は人力でキュレーションしたプレイリストを提供していたが、今年9月からユーザーの再生履歴をもとにしたアルゴリズム型のプレイリストMy New Music Mixの提供を開始している。

Tidalやその他のストリーミングサービスも同様にプレイリストに力を入れており、ユーザーらに新たな音楽を発見する場所としての機能を強化中だ。現状ではまだ、初期段階にあるストリーミングミング業界だが、その未来はプレイリストが握っていることはたしかと言えそうだ。

編集=上田裕資

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