今年6月末までの1年間で、米国でそのうれしい状況を最大に享受していた自動車メーカーがスバルであることが分かった。自動車に関するさまざまな情報を分析・提供するエクスペリアン・オートモーティブが先ごろ発表した調査結果によると、スバルの「離反」顧客に対する「獲得」顧客の割合は同期間中、自動車メーカー各社の中で最も高い3.48だった。
同様に、失った顧客1人に対する新規獲得顧客の割合が高かったのは、2位から順にジープ(1.81)、キア(1.7)、メルセデスベンツ(1.51)、BMW(1.44)だった。
モデル別首位は「RAV4」
個別のモデルでみると、同じ期間に最も高い「獲得/離反」率を記録したのはトヨタの「RAV4」(1.78)。2位はホンダ「CR-V」(1.50)だった。
一方、セダンは離反が獲得を上回ったことも明らかになった。トヨタの「カムリ」と「カローラ」、日産「アルティマ」、ホンダ「アコード」はいずれも多くの顧客を失っており、特にカムリは離反した顧客の半数程度を獲得するにとどまった。
スバルはブランド忠実度でも上位
エクスペリアンによると、スバルは高い顧客忠実度も維持していることが分かった。1位のフォード(70.8%)には及ばなかったものの、69.6%を達成している。これら2社以外で新車市場でのブランド忠実度が高かったのは、シボレー(65.8%)、メルセデスベンツ(65.8%)、トヨタ(65.0%)だった。
リピーター率1位はトラック
車のボディタイプ別でみると、ブランド忠誠度が最も高いのはトラックだった。リピーター率の1位はクライスラー「Ram 1500」(50.30%)、2位はフォード「Ford-150」(46.7%)だった。
ただし、米国では依然として、大型ピックアップトラックの販売台数がその他のタイプに大差を付けて多くなっていることを考えれば、これは少し残念な結果といえるかもしれない。「Ford-150」は2015年モデルからアルミニウム製のボディを採用しており、これに賛否両論があることも、こうした結果の一因だと指摘されている。
ここ数年にわたってセダン「MKZ」、クロスオーバーSUV「MKX」共に販売台数が伸び悩んでいるリンカーンが高い顧客忠実度を維持していることは驚くべき結果だと言えそうだ。リピーター率は「MKZ」が46.30%、「MKX」が44.30%だった。リピーター率の上位5モデルにはこのほか、ランドローバーのSUV「レンジローバー」(44.60%)が入った。