サンドバーグによると、フェイスブックの出稿主の大半が中小の企業であり、「スモールビジネスの運営者らは、引き続きこの流れにキャッチアップしていく必要がある」とした。
電話インタビューでサンドバーグは「400万アカウントを達成できたことは、我々にとって非常に重要です。数年前から弊社が提唱してきた、モバイルへの流れがこれで証明できました」と述べた。
モバイル動画広告は同社の成長の牽引役だ。今年第2四半期のフェイスブックの広告売上のうち、モバイルは84%を占めた。この数字は前年同期は72%だった。
FB広告は年2.3兆円規模に
調査会社eMarketerは、フェイスブックの世界の広告売上が今年、233億1,000万ドル(約2.3兆円)に達し、グーグルに次ぐ規模になると予測する。傘下のインスタグラムの広告売上も年内に15億ドル(約1,509億円)に達する見込みだ。フェイスブックは約半年前に「広告主件数が3百万アカウントを突破した」と発表していた。
「弊社の事業は着実に成長を遂げ、モバイルをベースとした消費者らを企業と結びつけています」とサンドバーグは述べた。また、モバイル端末はかつてない速度で普及が進んでおり、同社の未来は「スモールビジネスの成長とともにある」とした。
「小さなスクリーンが世界を大きく変えようとしています。モバイルは人々がつながる場所であると同時に、クリエイティブな場所でもあるのです」とサンドバーグは言う。
企業の3分の1は自社サイトを持たない
フェイスブックの企業ページは現在、世界6,000万社が利用中で、その多くが小規模ビジネスだという。米国ではそれらの企業の3分の1が自社のウェブページを持っておらず、自社アプリを持つことはさらにハードルが高い。
「モバイルは小さな企業に成長のチャンスを与える場である一方、取り組みが難しい分野でもあります」とサンドバーグは言う。フェイスブックは企業ページの運用を個人ページ並みに簡易にし、モバイルでの広告出稿を促進している。
「企業にとって広告が手軽に出稿でき、ローコストで高い成果が挙げられる施策を進めてきました」とサンドバーグは付け加えた。
フェイスブックのグローバルVPを務めるダン・レヴィも、同社にとっての最重要事項は「フェイスブックに企業ページを開設しているが、まだ広告を出稿していない広告主らに、出稿を促すこと」としている。また、広告を出さないとしても、企業らにフェイスブックページの重要性を認識させることが、戦略上非常に重要だと考えているという。
レヴィによるとフェイスブックの広告主の20%に相当する80万社の企業が、過去1ヶ月の間に動画広告を作成し、その動画数は400万件に及んだという。
「5年から10年ほど昔は、コストや技術的ハードルの高さから、動画広告を制作できるのはほんの一握りの企業だけでした。しかし、今やスマホと簡単なツールがあれば動画広告が制作でき、ビジネスに活かすことができます」とレヴィは言う。