年収4,350万ドルで2位につけたサインフェルドの倍以上を稼いだハートは、今年の「世界で最も稼ぐセレブリティ」ランキングでも6位に入った。
首位獲得の要因は、他のどのコメディアンよりもライブ活動に力を入れたことにある。対象となった1年間でこなしたライブの数は100を超え、1公演当たりの平均収入は100万ドルを超えた。
ハートは小規模なコメディークラブのみならず、マディソン・スクエア・ガーデンといった大型のスタジアムやアリーナでも公演を実施。スタンドアップコメディアンのライブはロックスターのそれとは違い、必要なセットはスツール1脚のみなので、懐に残る金額も大きい。
ライブからの収入に加え、「セントラル・インテリジェンス(原題)」や「ペット」などの映画やテレビ番組、現代(ヒュンダイ)自動車やH&Mといった企業の広告への出演も、ハートの収入増加に寄与した。
今年はまた、エイミー・シューマーが1,700万ドルで4位につけ、女性コメディアンで唯一かつ史上初のランク入りを果たした。収入の多くはライブからのものだったが、エミー賞を獲得した看板番組「インサイド・エイミー・シューマー」や書籍の出版、多数の広告出演も高収入につながった。
だが、お笑い界に根強く残る男女格差については、シューマーもたびたび問題提起している。先月出演したナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の番組では「(男女の)賃金格差がなくなって、人々から『あなたは私のお気に入りの女性コメディアン』ではなく、『あなたは私のお気に入りのコメディアン』と言われるようにならない限り、まだ変革の余地があると感じる」と語っている。
今年ランク入りしたコメディアン10人の合計年収は2億3,350万ドルだった。収入は手数料・税引き前の金額で、ライブや広告、映画、テレビ番組への出演や営業、DVDの売上を含む。算出に当たっては、ポールスター、ボックス・オフィス・モジョ、IMDBがまとめた数字に加え、エージェントやマネジャー、弁護士、業界関係者へのインタビューの内容を加味した。