返信メールも自動作成
Alloの返答は、2種類の情報に分かれている。1つはウェブ検索の結果と同じような基礎的な情報で、もう1つは過去のユーザーとのやり取りに基づくお勧め情報だ。Alloは聞かれた質問には端的に答え、ウィキペディアのように盛りだくさんな情報の提供は行わない。フォックスはこれをスナック菓子に例えて「一口サイズの情報」と表現する。Alloはまた、友人からのメッセージに対して、予め登録されたフレーズの中から機械学習によって最適な返答を選んでくれる。例えば、友人が自撮り写真を送ってきたら、「素敵な笑顔だね」といった応答が表示される。
フォックスは、スマートメッセージアプリの課題はユーザー同士の会話の邪魔になり得ることだと指摘し、Alloはなるべく出しゃばらずに高い利便性を追求することを目指しているという。「主導権を握っているのはあくまでユーザーであり、AIではない。それが我々の一貫したテーマだ」とフォックスは言う。
Alloには他にも様々な機能が搭載されている。Alloを経由して送られた画像は、スクリーンの半分以上の大きなサイズで表示されるため、従来のメッセージングアプリのように吹き出しの中のファイルを開く必要がない。また、「whisper(ささやく)」や「shout(叫ぶ)」の機能を使うと、テキストや絵文字のサイズを小さくしたり大きくすることができ、メッセージにより感情を込めることができる。
「消えるメッセージ」機能も
標準的な絵文字以外にも、グーグルが契約したアーティストによる漫画風の絵文字をダウンロードすることも可能だ。「incognito(匿名)」モードではエンドツーエンド暗号化を利用でき、一定の時間が経過するとメッセージが消滅するように設定することもできる。Incognitoモードでメッセージを送信すると、受信者がアプリを起動していない限り、通知には送信者の身元やメッセージ内容は表示されない。
今のところ、クラウドに保存された写真などの個人情報はチャット相手に共有されないが、今後グーグルは方針を変更する可能性が高い。現在提供されているグーグルアシスタントはプレビュー版で、グーグルはユーザーにフィードバックを求めて正式版のリリースに向けて機能改善に取り組んでいる。チャットをしたい相手がAlloアプリをダウンロードしていない場合、メッセージはSMSで送信され、受信者にはアプリをダウンロードするためのリンクも合わせて送られる。AlloはiOS版とAndroid版が提供されている。