グーグルのAI搭載メッセージアプリ「Allo」の破壊的クオリティ

Photo courtesy of Google

グーグルは、人工知能(AI)を搭載したスマートメッセージアプリ「Allo」をリリースした。「Allo」は、グーグルアシスタントに対応した最初のプロダクトで、ユーザーは友人とチャット中に、アプリを離れることなくあらゆる情報を入手することができる。

ユーザーはグーグルアシスタントと1対1で会話できることはもちろん、友人とのチャット中に利用することも可能だ。グーグルは秋以降、グーグルアシスタントをAIスピーカー「グーグルホーム」など他のプロダクトにも順次搭載していく方針だ。同社はメッセージングアプリ事業の強化に乗り出しており、先月公開したビデオ通話アプリ「Duo」は既に1,000万ダウンロードを記録している。

「我々は、メッセージングアプリはまだ改善の余地が大きいと考えている。AlloはAIの搭載によってチャット機能を大幅に向上した」とグーグルのコミュニケーション製品担当バイスプレジデント、ニック・フォックスは話す。

AIがユーザーの好みを学習

「提供する情報はなるべくシンプルにする」とフォックスは述べ、Alloの目的は既存のアプリやウェブ検索に置き換わることではなく、それらを補強することだと強調する。AlloはDuo同様に端末の電話番号と連携し、ユーザーは新たにアカウント登録をせずに利用することができる。また、Alloはグーグルアカウントと連携し、クラウドサービスに保存された写真など、ユーザーの個人情報にアクセスする。

Alloは使えば使うほどユーザーについて学習し、好きなスポーツチームを教えれば、それ以降はチーム名を言わなくても関連ニュースを表示してくれる。「グーグルはこれまでの18年間、ユーザーと1対1の関係を築いてきたが、Alloが加わったことでマルチプレーヤー体制になったようだ」とフォックスは話す。

Alloを起動すると、AIアシスタントはまずユーザーに居場所を尋ねる。これは、天気や近隣のレストランなど、ユーザーから受ける可能性が高い質問に関する情報を予め検索するためだ。Alloは、友人とのチャットのように必ず会話形式で返答する。Alloを使って友人を食事に誘ったとしよう。友人が近くにあるお勧めのレストランをAlloに尋ねると、いずれのユーザーの画面にも同じリストが表示される。現在営業中の店舗や、評価が最も高いものに絞り込むことも可能だ。

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編集=上田裕資

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