ネットやスマホの普及が進んだ現在、消費者が利用するデバイスは多様化を極め、従来の方法ではネット広告の効果測定はますます困難になりつつある。特に現状の課題と言えるのが、ネットとテレビ広告の相関関係や、デジタル広告がリアル店舗に与える影響の測定が難しいことが挙げられる。
グーグルは9月26日、ニューヨークで開催のAdvertising Weekにおいて、複数の新ツールを公開する。「今回の新機能により、ネットのディスプレイ広告がもたらす効果をさらに詳細にトラッキング可能になります」とグーグルで広告マネジメントを担当するブラッド・ベンダー(Brad Bender)は述べた。
その新機能の一つ「Brand Lift」は、YouTubeの広告がテレビCMに比べ、いかにブランド認知の向上や購入動向に影響を与えるかを可視化する。グーグルのトライアルでは、YouTube広告はテレビCMに比べ、2倍近くも検索数を増やすことが分かった。
リアル店舗を絡めた効果測定が可能に
グーグルはまた、ウェブ広告が実店舗への来客数にどう影響するかを測定するサービスも増やしてきた。関連アプリやウェブサイトの情報をスマホで閲覧したユーザーの30%が、24時間以内に実店舗で何らかの買い物をしているという結果も出ている。
この動きをさらに進め、グーグルは新機能の「ロケーション・エクステンションズ(location extensions)を導入。アドネットワーク上の広告やグーグルマップ上で、店舗への道順や営業時間等の情報の表示を開始し、来店数のトラッキングを開始。200万社以上のパートナーが参加する広告ネットワークGoogle Display Network上で実際の来店客数が計測可能になる。
グーグルによると既にこの施策を導入したホーム・デポは、ロケーション・エクステンションズを利用した広告で、従来の8倍の対費用効果を生んだという。
さらに重要なのは、同社は新たに「リマーケティング機能」をGoogle Display Networkや自動広告入札システムDoubleClick Bid Managerに導入することだ。リマーケティング機能は、ユーザーのブラウジングやアプリの利用履歴に基づき、商品をリコメンドできる仕組み。リマーケティングを広範囲に拡大することにより、出稿主らはあらゆるデバイスをまたいで、効果的なブランド告知が可能になる。
一連の新機能は今年のクリスマスシーズンまでには導入される予定だ。