ディズニー社がツイッター買収に向けて金融アドバイザーと検討を開始したとのニュースを9月26日、ブルームバーグが報じた。これを受けて、ツイッター側も取引内容の精査を開始したと匿名ソースが伝えている。ディズニー、ツイッター双方の広報担当はコメントを控えている。
候補にあがったもう一社のセールスフォース・ドットコムもバンク・オブ・アメリカに助言を求めていると報道されているが、ツイッターのジャック・ドーシーCEOは、ディズニー社の役員会メンバーを努めており、ディズニーは有力候補と考えられる。
月間アクティブユーザー数が3億人を超えるツイッターはこのところ、ユーザー数の伸び悩みに苦しみ、今年第2四半期には売上の伸び率が前年度比で最小を記録した。売上は8四半期連続で減少を続けている。
約14ドルから23ドル付近に急騰
ツイッターの株価はここ数か月、買収の噂が浮上するにつれて上昇を遂げてきた。5月初旬には年初から40%下落となり、年初来最安値の13.90ドルをつけていた。その後、9月23日に「複数の企業から買収提案を受けている」との報道が流れると21%以上の値上がりとなり、26日月曜日時点でさらに2%上昇。同日午後3時時点では22.87ドル付近で取引されている。
ドーシーはこのところライブ動画配信に意欲を見せているが、ケーブルテレビを収益の柱とするディズニー社のとの連携は理にかなうものと言える。ツイッターは既にライブ動画配信でNFLやメジャーリーグ、全米ホッケー、全米バスケットボール等と契約を結んでいる。
またツイッターは、既に米民主党大会や共和党大会等の政治イベントのライブ中継も実施しており、ブルームバーグの金融番組の配信も行なった実績がある。今月行なわれた行われた同社初のNFLの「Thursday Night」のライブ中継は、世界で230万人の視聴者を獲得した。
ディズニー社はこれまで複数のデジタルメディア企業に出資しており、ロバート・アイガー現CEOのもとでViceやHulu、オンライン動画サービスのBAMTech、動画制作や配給を行なうメイカースタジオなどに出資を行なっている。